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魔法科高校の神童生
Episode外伝:約束?想い
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しいことだったから。拒絶しなかったのは、なぜだ?
少し背伸びをして、俺の頬に添えられたエイミィの華奢な両手。そして、触れ合った唇と唇。
エイミィが俺に、キスをしていた。


「ーーーーん…」


永遠かと疑ってしまうほど長い時間、俺はなにもできずにずっと固まって、その甘い感覚に身を委ねていただけだった。やがてエイミィが唇を離し、そして添えた手はそのままに、あの日、約束を立てたときと同じ眼で俺を見ていた。


「……知ってたよ。隼人が、約束を破ってたこと」


「なっ…!?」


「でも、今日まで確信が持てなかった。だからなにも言えなかったのよ。でも、隼人がまだ約束を覚えてたなんて思いもしなかったわ」


口調はいつものままに、俺を見つめる瞳は真剣そのもので。


「あの日のことを、俺が忘れるわけないだろう?」


「……そうね」


そう呟いて、エイミィはフッと瞳を閉じた。


「もしかしたら、この約束が、隼人を傷つけてたのかも…」


「エイミィ?」


なにかエイミィが呟いていたが、声が小さすぎて聞き取ることはできなかった。


「約束破ったなら、なにかお詫びでもしてほしいかもね」


「うっ……分かったよ、なんでもする」


家のことで仕方なかったとして、俺がずっと前から約束を破っていたことは事実だ。それに、それを今日までエイミィに伝えなかったわけだし。悪いのは全部俺。できる限りのことはしよう。
そう決めて、僅か数cmの距離にあるエイミィの瞳を覗き込んだ。


「じゃあ、私と新しい約束をして」


「え?
う、うん…」


そんなことでいいのかな?とか思って、返事は曖昧になってしまった。


「『辛いこととか、溜めてることがあったら互いに可能な限り話すこと』いい?」


そう言ったエイミィの顔を少し見て、


「……ふふっ…」


「な、なに?」


新しい約束を聞いて、思わず俺は吹き出してしまった。それが不思議に思ったのか、エイミィがわずかに狼狽を滲ませる。


「いや、エイミィらしいと思ってさ」


「ど、どういう意味よ?」


「いや、そのまんまの意味だよ。まあ、俺はエイミィのそんなところが好きだよ」


「す、好きーー!?」


ん、どうしたんだ?急にエイミィの顔がゆでダコみたいに真っ赤になってしまった。


(す、好きってどういうことなんだろう?は、隼人も私のことを?え、あ、そういえばさっき勢いで隼人にキ、キスしちゃった!?ウソでしょ?私の予定ではもう少し二人の仲を縮めてからって思ってたのに…い、いや、でもこれは逆にチャンス?二人きりだし、なんか妙にいい雰囲気だし
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