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魔法科高校の神童生
Episode外伝:約束?想い
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「こ、の…女ァ…僕の邪魔をするなァァァ!!」


そう叫び、男はエイミィに向かってナイフを振り上げた。全く手入れされていないのか、その刃は赤く錆び付いていた。


(バカね。それじゃ、自分から喰らいにきてるものじゃない!)


振り上げた男の腕に向けて、エイミィはカードを一枚投げた。エイミィの手から離れた瞬間に、加速するカード。大きく弧を描いて飛来したそれは、しかし男の腕を斬ることはなかった。


(どうして!?)


遅延術式が解除されて移動魔法がかかったカードは、男の腕に当たる前には完全に威力を損なっていた。なんらかの方法で魔法が解除されたのは明白だ。しかし、エイミィにはそれが何故かを考える時間はなかった。
振り下ろされた凶刃からは辛うじて身を捻って躱したものの、次に襲ってきた右脚によって吹き飛ばされて柱にぶつかってしまう。


「ぐっ…!」


「お前ェェはァ、人質でいればいいんだよォ!!」


再び振り上げられる錆び付いたナイフに、エイミィは逆らう術なく頭の上に腕を交差するしかなかった。そんな中で、エイミィは確かに男の腕に真鍮色の腕輪を見た。
しかし、それが現状を打開する術になるはずもなく、ナイフは振り下ろされた。



















「その薄汚い手で、こいつに触るんじゃねえよ」














エイミィをナイフが切り裂く寸前に、一陣の風が吹いて、男は何者かによって蹴り飛ばされた。



「隼人……?」


バチバチと音を立ててスパークする雷を纏った隼人を見て、エイミィは思わず後ずさってしまった。
似ていた。あの日の隼人の目に。全てを消し尽くしてしまった、あの目に。


「ごめんエイミィ。ちょっとそこで座ってて」


「待って…待って隼人!」


こちらを見ることなく謝って男の元へ歩き出した隼人に言いようのない恐怖を感じ、エイミィは隼人を呼び止めた。しかし、エイミィは次に用意していた言葉を紡ぐことができなかった。



「俺は、あの日とは違うよ」


そう言って、微笑まれてしまったから。
腰が抜けてしまったように座り込んだエイミィから目を外し、隼人は再びあの男へ向けて歩き出した。




















「ガフッ……九十九ォ隼人ォォォ……絶対に殺ォす!!」


「ギャーギャーうるさいな。さっさとかかって来いよ」


まったく気持ち悪い喋り方しやがって、一方○行ですかこのヤローってんだよ。


「ウオオオォォ!!」


「フン…」


馬鹿正直に突っ込んできたブランシ
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