暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
幕間3 「天災と暗躍と、時々チカさん」
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かあしい!!」

もはやここ数年聞きなれたものとなった二人の漫才に束は振り返る。
そこにいるのは自分の娘同然の少女と、見慣れた親友。

「おお!?チカくんが部屋まで来るなんて珍しいね〜?」
「ああ、例のデータが取れたって聞いたから受け取りに・・・って臭っ!!さてはテメェまた風呂に入ってねえな!?」
「失礼な!ちゃんと入ったよ!・・・4日前に」
「・・・クロエ」
「すみません。私が「どうしても手が離せない」という言葉を16回も信用してしまったばかりに・・・」
「お前の純真さは美点だとは思うが、偶にはあの馬鹿兎を疑え」
「馬鹿って言われた!?天才なのに馬鹿って言われた!!」
「馬鹿じゃないなら風呂に入れ!」
「一緒に入ってくれるなら・・・いいよ? (/////)ポッ」
「クロエ、浴槽に放り込んで洗って来い。命令だ」
「イエス!ユアマジェスティ!」
「あらー!?束ちゃんの人権は!?」
「無ぇよんなもん」
「し、しどい・・・」

3年前に行方をくらました天災科学者の現状がこれだと知ったら、各国の諜報員はさぞ腰砕けになるだろう。
ところがどっこい夢ではなくこれが現実だ。二人の立場は形式上は対等だが、ぶっちゃけ明らかにチカのほうが上になっている。まぁその分彼がこの変人の手綱を握らねばならない苦労があるのだが。
それでもやはり天災は天災である。やればできる子、今回の目的はきっちり達成している。

「・・・で、例のは?」
「二人ともばっちり“検出”されたよ。片方はちょっと小さいけど」
「問題ないさ、今はな。 “彼”は捉えられたか?」
「んふふ〜・・・そりゃもうバッチリ捉えたよ!もう地の果てまで逃げても絶対に発見できるほどね?」
「そいつは重畳。・・・やはりここか。ちょっと“モモハル”ちゃんと連絡取ってくる」
「浮気はダ・メ・ヨ?」
「お前と付き合った覚えはねぇしあの子にも手は出さねえよ!」

きっちり否定した後に部屋を後にしたチカを見送って、束は改めて表示されたデータを見る。それは自身が装備した「箒ちゃん探知機」を応用・発展させたモノである。つまり、このデータはある特定の人物を発見したという端的な事実を現すものだった。
それは二人の良く見知ったある人物。5年前に行方をくらませた人物。

「・・・まったく、私たち二人掛かりで5年も見つからないなんて、かくれんぼの天才だよ君は?」

このことを知ったら、もう一人の親友は何というだろうか。拒絶するか?・・・いや、彼女はああ見えて意外と欲張りだから分からないな、と苦笑する。
見つけたからと言ってすべての問題が片付くわけではない。だが、一つの区切りはつくだろう。
なにより、彼をこれ以上放っておけない。

いつも笑顔だったあの人。
誰に対しても優しかっ
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