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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
幕間3 「天災と暗躍と、時々チカさん」
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そうぼやきながら鬱陶しそうに手入れのされていない短めの金髪を掻く、その男。名前をクラース・ウル・ダービシェスという。世界的に有名なPMC(民間軍事会社)、「マークウルフ」の敏腕社員であり、IS委員会との契約でこの学園の警備主任を務める男である。仕事柄学園とは全く違った情報網を持っており、今日も既にここに来るまでの間に調べていたようだ。
普段は気だるげで冴えない表情をしているクラースだが、さすがに今日は顔が引き締まっている。
それはそうだろう、彼にとってこの学園は自分が全霊を以てして守護しなければならない場所なのだ。襲撃されたとあっては、たとえ人的被害が出ていないとしても快いはずがない。
普段より目に険が増しているクラースは忌々しげに舌打ちをする。

「このISは間違いなく“何者か”と戦闘している・・・この学園に忍び込む前にな」
「そして貴方が調べても確認の取れない戦闘となると・・・」
「うん、“亡国機業”だろうな。でなきゃUFOかエイリアンだろ」

投げやりにつぶやいたクラースは、疲れたように首をゴキゴキと鳴らして息を吐く。
ISには自己修復機能がついており、恐らくこのISも例外ではない。だから傷がつくタイミングは出撃してから学園にたどり着くまでの間しかありえない。つまり、このアンノウンは何者かと交戦したのちにここに来たこととなる。
そして今の所最も交戦した可能性が高い組織の名が“亡国機業”である。
亡国機業・・・第2次世界大戦中に“はっきりとは分からない何らかのきっかけで”生まれた、あらゆる国家、思想、民族、宗教に属さない形無き組織。50年以上前よりずっと世界中で活動を続けており、目的、存在理由、主義主張その他一切の事が不明。分かっているのは少なく見積もっても国際的な犯罪が行えるだけの規模があることと、ISを所持しているということだけ。表の人間はもちろん、IS関係者でもその組織の名前を知っているものは限られる。逆を言えばIS関連のテロの殆どはこいつらの起こしたものだ。

「あの博士と亡霊共が敵対してても何らおかしい事は無い。だが、だ」
「交戦後にすぐ学園を襲撃したのが解せない、ですか?」
「イグザクトリー。あれだけのステルス性を持ってるならわざわざ今日でなくとも襲撃は出来たはずだ。そこまで焦って襲撃した理由が分からん」

最初は残間結章を狙ったのかとも考えたが、あのISは特別に彼を狙うそぶりは見せなかった。戦闘データを取るにも、わざわざこんな手の込んだ襲撃をせずとも別の方法がいくらでもあるだろう。中国と日本の専用機のデータというのも考えにくい。
全く分からない。何故、何のためにIS学園を襲撃する必要があったのか。

「まぁ実際の所がどうであれ、俺達のやることに変わりは無ぇ。次に来たときに同じ結果にならねえよう
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