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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
幕間3 「天災と暗躍と、時々チカさん」
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園には建築設計図に載っていない秘密が多く存在する。
その一つが此処、地下に秘匿された“秘匿された(シークレット)部屋(エリア)”である。IS学園の上の施設で出来る事のすべてがこの地下フロアでも行うことが出来る、言わばもう一つのIS学園ともいえるそのエリアの研究室の一角に、2つの鉄の塊が鎮座していた。

「どうでした、山田先生?」
「あ、織斑先生。調べてみましたが、アンノウンのISコアやはり未登録のコアでした」
「そうか・・・」
「誰がこんなことを・・・生徒を巻き込むなんて」
「誰、か・・・見当はつかんでもないが」
「・・・篠ノ之博士、ですか?」

未登録のコア。それはそのまま、あのISを作ったのが誰なのかを表していた。
この世界でISコアの製造法を知っているのは恐らく2人。可能性的に限りなく高いのは・・・自身のかつての親友であり、ISの直接の生みの親である、あの気まぐれ兎。
そう考えればあの驚異的なステルス性もハッキングもすべて納得がいく。出鱈目極まりない合体機構も奴ならやりかねない。だが、だからこそ分からないこともある。

(今回のこれに何の意図があるか・・・?それが問題だ)

あの兎が本当に滅茶苦茶なことをしでかそうとすれば必ずもう一人が止める。だが、今回は止めなかった。つまり、もう一人も今回の件に同意したか、もしくは必要な事と思ったからこそ黙認した、とも考えられる。
だがその理由は一体なんだ?アイツ等がIS学園を強襲していったい何の得が生まれる?

「・・・あ、織斑先生。監視映像などを見て1つ分かったことがあるんですか」
「分かったこと?いったい何ですか?」
「これを見てください。アリーナ突入直前のアンノウンを捉えた映像です」
「・・・・・・これは」

突入直前のアンノウンの姿。普通に見ただけでは何も分かることはないが、千冬の鋭い洞察力は直ぐにあることに気付く。装甲のあちこちに、煤や僅かな亀裂が入っている。明らかな戦闘痕だった。

「注目して見ないとハイパーセンサー越しでも分かりにくいですが・・・確かにこのISには他の”何か”と争った形跡があります。ISにこれだけダメージを負わせることができるのは・・・」
「IS以外考えにくいですね。学園の警備隊ではないとなると・・・山田先生、どこかでISによる襲撃事件などは―――」



「起きてないよ。本社にも確認取ったがそんなそぶりは何処の国も見せなかったそうだ」

言葉を遮る様に、部屋に新たな人影が踏み込んでくる。振り返った山田先生がその男を意外そうに眺めた。

「クラースさん?もう帰りついたんですか?」
「そりゃねぇ・・・持ち場が襲撃されたとあっちゃあ俺の立場がないでしょ?だから間に合わんとはわかってても急いで戻るのが俺の仕事な訳よ」

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