第四十七話 アメリカ軍人その十一
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「そうだったな」
「そうです。剣士の数は常に十三人です」
「十三人だな」
「はい、この数は決まっています」
「十三人。キリスト教の不吉な数字だが」
「オリンポスの神々の数ですが」
「十二ではないのか」
「ゼウス、ポセイドン、ハーデス」
まずはこの三柱だった。
「ヘラ、デメテル、ヘスティア」
「ゼウスの兄弟達か」
「そしてアポロン、アルテミス、アテナ、ヘパイストス、アーレス、ヘルメス」
「そしてアフロディーテだな」
「合わせて十三柱です」
「ポオセイドンとハーデスを入れてか」
「抜けてもです」
そこにまた入るというのだ。
「ディオニュソスやヘラクレスが」
「どちらにしても十三か」
「ポセイドンは海、ハーデスは冥界の支配者なので」
それでオリンポスにいないともされる。この辺りは諸説ある。
「しかし実際はです」
「十三か」
「十二ではありません」
このことは強調する声だった。
「そのことはご理解下さい」
「だから十三か」
「よく十二と思われていますね」
「私もそう思っていた」
「それでもですか」
「十三です」
声はこの数にこだわりも見せる。
「十三人、そしてその中で」
「生き残る者は一人か」
「その通りです」
「では私だ」
彼はそれを当然だと言い切った。
「私しかいない」
「貴方がですね」
「そうだ、そして祖国を永遠に盟主にする」
彼は言い切った。
「必ずな」
「わかりました。では」
「それではか」
「頑張って下さい」
声は彼に応援の言葉も述べた。
「是非共」
「そうさせてもらう」
彼は声に無愛想とも言える調子で返した。そうしてそのうえで剣士として戦うことを彼のその心の中で誓うのだった。
第四十七話 完
2012・9・27
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