一章 五話 とあるボロ店での勧誘
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「な、何で知ってんだ・・・?」
「フェイトから直接聞いたんだよー」
くっ、まさか二人が裏でつながっていたとは。・・・いや、むしろこれは勧誘を断るチャンス!
「ほ、ほら。だったら知ってんだろ?俺、アイツ相手に指一本動かせなかったんだぞ?そんな奴がボス戦で戦えると思うかよ」
おお、我ながらその場しのぎ。
そこをクリアしてるから俺んトコまで来たんだろうに。
案の定アスナは直ぐに切り返してくる。
「大丈夫だよ。だってラーク君、守る戦いのほうが得意だし。」
何その断定。
「それはねぇよ。攻略組止めて、むしろ強くなったくらいだ。敵の動きも良く見えるようになったし、反応速度も目に見えて上がってる・・・と思う」
尻すぼみになったが、断定しよう。体感的には!主観的には!そう感じるのだ。
「まあ、そうかもね。」
アスナの肯定に多少驚く。
「確かに、最前線のモンスターと戦うだけでは手に入らない何かを、君は今の生活の中で手に入れたのかもしれない。」
アスナは一息ついて、続ける。
「けど、私が言っているのはそこじゃない。もっと根本的な所の事だよ」
いや、分かっちゃいるんだけどな。何かを守るほうが、気持ち的には強くなれることくらい。
アイツと出会った時から。
けど、俺にはもう・・・・
「悪い、アスナ。今は答えがでそうにねえんだ。」
そう言う俺に、目の前の美人さんは軽くほほえんだ。
「分かった。ボス戦は、一応明日の14時集合ってなってるから、気が向いたら、来て」
「サンキュ」
「気にしない気にしない」
ふと、終始真面目な雰囲気に、イタズラ心が疼いた。
「よう、”黒の剣士”」
「え!?キリト君!?」
年中真っ黒な”知り合い”の名に、案の定アスナが敏感に反応する。
光速で入り口の扉の方を振り向くアスナに、最高級の悪党の笑みを。
「残念。ウソです」
「??????ラーク君?」
ニッコリ笑って小首をかしげたアスナさん。
思考より前に、体が強制的に土下座モード。
うん、ぶっちゃけレッドより怖い。
秒速五回の速度で頭を上下させる俺をたっぷり三十秒は見学してから、彼女はため息をついて席に戻る。
俺もアスナの顔を伺いつつ、そーっと席へ。
とりあえず、これで暗い雰囲気は払拭されたか。
アスナが一応普通に戻ったので、聞いた。
「んで?キリトとはどんな感じ何だよ」
するとアスナは困ったように、
「うーん、たいした進展は無いかなー。一応フレンドにはなれたけど」
「おおっ、それたいした進歩だろ!」
思わず身を乗り出した俺に、アスナが少し照れたように顔を赤らめている。
冒頭からそれとなーく書いているように、アスナは美人だ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ