第三十三話 合宿の終わりその十四
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「だからね」
「凄いのね」
「そうみたいよ」
「ううん、それでこの工場も」
広島のこの工場もだというのだ。
「こうなのね」
「そうでしょうね、ただ」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「この工場作ってるのどういう車かしら」
琴乃はこのことが気になりここでこう言った。
「何かしら」
「ううん、八条自動車って乗用車以外にもね」
他にもだというのだ、里香が言う。
「トラックとかダンプもね」
「色々作ってるのね」
「農耕用の車とか作業用の車もね」
そうしたものも作っているというのだ。
「色々あるから。戦車もね」
「あっ、自衛隊の戦車ね」
「そういうのも作ってるわよ」
「戦車って車なのね」
「一応はね」
その範疇に入るというのだ、かなり広い範疇であるがだ。
「そうなるわ」
「じゃあ装甲車とかも」
「そうなの、けれど戦車は特別だから」
このことは言うまでもない、車であってもかなり特殊な範疇にある車であることは否定しようのないことである。
「普通の工場では作ってないわ」
「こういう工場ではなのね」
「学生が見学する工場に戦車工場はないだろうな」
美優も工場を見ながら応える。
「やっぱりな」
「機密だらけだからよね」
「ああ、やっぱりないだろ」
「考えてみればそうね」
「ううん、見たところな」
美優は車窓から作業中の工場を見て言った。
「トラック作ってるか?」
「トラックなの」
「ほら、あの中な」
今横を通っている工場の中を指差す、見れば中に実際にトラックそれも造りたてのものが何台も並べられている。
それを指差してだ、美優は言うのだ。
「今から塗装するところだろ」
「あっ、トラックね」
「しかもかなり大きいわね」
「輸送用の」
自衛隊で使う様な見事な大きさのトラック達があった、好きな者にはたまらない光景である。
そのトラック達を見てだ、美優は言うのだ。
「そうじゃないか?ここってな」
「トラック作るのにもこれだけの工場必要なのね」
「大きなのが」
「そうよ、八条自動車のトラックは日本だけじゃなくて世界に輸出してるからね」
だからだとだ、先生もここで五人に話した。
「それでなのよ」
「そうなんですか」
「これだけ大きな工場を用意してですか」
「それで作ってるんですか」
「トラックは必要なのよ」
先生は五人に確かな声で語った。
「これだけのものがね」
「トラックってあれですよね」
琴乃も工場の中のトラック達を見ている、そして言うことは。
「普通の免許じゃ運転出来ないですよね」
「ええ、無理よ」
普通自動車免許ではというのだ。
「残念だけれどね」
「そうですよね」
「乗用車とはまた違うから。あの車もね」
バスの
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