第21話 こっくりさんのその後の話し
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レアスキル)」なんだと思う」
「そうか………。そうだったのか」
「色々思うことはあるだろうけど、正直麻帆良の「魔法使い」はおかしいんだよ。他の世界はともかく、ここ地球では魔法や呪術と言ったモノは秘匿するものだ。それがルールだ。本来、魔法の秘匿に失敗したら、今しているように説明して手順を踏んで相手に理解を求めるものなんだ。だけど、ここの「魔法使い」は麻帆良大結界があるため、その辺がなぁなぁになってしまい、秘匿意識が薄くなり、薄いからまた魔法の秘匿に失敗する。その繰り返しが、噂とかになって出てるんだ」
「そうだったんやー」
「あとね、「陰陽師」なんて聞いたこと無い?」
「あるぇー」「あぁ」
「陰陽師も呪術師の括りに入るんだけど、元々日本の歴史を振り返ると「陰陽寮」といった国の公の機関に属する今で言う公務員だったんだ。で、そういった呪術師が呪術を秘匿するのは、技術の一つとして他者に教えたくないというのと、そう言ったモノを知っている者ほど、そういったモノに巻き込まれるからなんだ。それに対し魔法使いは中世ヨーロッパであった「魔女狩り」の影響もあって、迫害されるんじゃないかっていう恐怖が根本にあるんだ」
「そういうことか………。全部魔法使いどもの都合ってワケか」
「ど、どうしたん、千雨ちゃん」
「あぁ、近衛。そっとしておいてやれ。「麻帆良大結界」の影響を受けないってのはな、こういうことなんだ。9歳児の先生ってのはおかしいって思わないか?」
「なんで? そんだけ優秀ってことなんやろ」
「近衛、よく考えてみろ。日本には労働基準法ってのがあってな、9歳児は働けないんだ。働くってのは労働に対し対価を、まぁ主にお金なんだが、得ることなんだ。当然それに対して義務や責任も生じる。9歳児に先生として責任が負えると思うか?」
「無理やなぁ」
「それに近衛達は来年の今頃高校受験なんだが、「ウチらはエスカレーターやで」そうかも知れんが、例えば近衛が高校から実家に戻るとすると京都だろ」
「そやよ」
「そうすると外部受験になるけど、9歳児の先生に進路の相談とかできるか?」
「それはー、無理やね」
「だろ。ちょっと考えればわかることなのにそのちょっとを考えさせないんだ。ホント質が悪い」
「はぁー。そやったんか」
「結界の効果がない体質ってのは、そういうことがずっと続いてたってことなんだ。そしてそれは周りの結界の効果がある人達と、認識にズレがあるってことになるね」
「えっ。そんな」
「そういうことだろ、長谷川」
「あぁ。サギ先生の言うとおりだ。はっ、お笑いだね。小学生の頃からの悩みがこんなことだったなんて。まったく「魔法使い」のせいだなんて、笑い話にもなんねぇ」
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