暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
24話:蒼雷と紅炎の斬撃
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道の杖―――バルディッシュを構える。


















場所は戻り、士と桃色の剣士との戦い。

戦場は上空へと変わり、そこには月光により光る金色の翼と、桃色の魔力が飛び交っている。ぶつかる度に火花が散る。

「はぁぁあああ!!」
「ヴェェエエエイッ!!」

飛び交う二つの影は何度もぶつかり合い、いくつもの金属音を奏でる。

「はっ!」
「せいっ!」

そして今再びぶつかり合うが、今度は先程までとは違っていた。

「レヴァンティン!」
〈 Schlangeform 〉

仕掛けたのは桃色の髪の剣士だ。距離を取りながら女が持つ剣を一旦鞘に納めると、かけ声と剣から発せられた音声と共に再び剣を抜き放つ。

すると鞘から出てきた刀身は分裂し、一本のチェーンによって連結された、連結刃へと変わる。

「なっ!?(おいおい、そんなのアリかよ!?)」

その光景を目にした士は、驚きの声を上げる。
相手の周りを飛び交う連結刃は、元の刀身の長さからは考えられる程の長さになっているからだ。

「(魔法だからって何でもアリって訳じゃないだろ!)くっ!」

士は少々メタな事を考えつつ、彼女から距離を置くように後退する。

「はぁあっ!」

だが彼女がそれを許す訳もなく、剣を振るうと連結刃を先回りさせ、士の退路を断つ。
それだけじゃなく、連結刃を士を逃がさないよう、取り囲むように操作する。

「くそっ!(こんな器用なマネまで…!)」
「はっ!」

取り囲まれ止まった士に、追い打ちと言わんばかりにかけ声を出す。
すると周りを囲っていた連結刃が士の領域を浸食していく。

「(これで捕まえたつもりか?)甘ぇよ!」
〈 ATACK RIDE・MACH!〉

だが士もそれを受けるつもりはさらさらない。
ライドブッカーからカードを取り出し発動。ブレイドの“マッハジャガー”同様、スピードを強化し狭まる連結刃の合間をくぐり抜け、攻撃を回避する。

「だぁああっ!」
「っ!」

そのスピードを保ったまま、士は女へと斬り掛かる。連結刃のままでは、防御ができないと踏んだ為だ。

だが、彼女は士が振るった一撃を、鞘で受け止めるのだ。

「ぐっ…ぐぎぎ…!」
「くっ、ぅう…くぅっ!」

ギリギリと金属が擦り合う音が続く。

「はっ!」
「っ!」

しかしそれも数分としない内に、彼女が士を押し出す事で終わりを告げる。

士は後退させられながらも左足で回し蹴りを放つが、彼女は屈む事で回避。そして自らも右足で後ろ蹴りを放つ。

士は腕を交差させ、その攻撃を受ける。
そのまま士は蹴り出され後退、相手側も蹴り出した反作用で少し後退する。
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