第五章 StrikerS編
第百二十九話 『ホテル・アグスタ』
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私達はそれぞれ着替えて支度をした。
それだけならまだいいんだけど…。
「…どうして、私は黒いスーツ姿なのかしら?…ま、ドレスを着るよりはいいんだけどね」
「んー…男装の麗人って感じやな」
「似合っているよ、シホちゃん」
「うん。始めて見たらどんな女性も虜にしちゃうと思うんだ」
《似合っておるぞ、奏者よ》
なのは達三人に、それと霊体化しているネロにまでそう言われて、まぁいいかと思うことにした。
「それなら…」
私は顔を引き締めてルヴィアの執事時代に培った経験を遺憾なく発揮することにした。
「それではお嬢様方、会場へと向かうといたしましょうか。警護はわたくしめにお任せ下さい」
ニコッと笑みを浮かべながら執事の態度をとる。
「…あ、あかん…。惚れそうや」
「はやてちゃん、戻ってきて!」
「似合うどころの問題じゃないね…」
「そうですか? それならばよかったです。お嬢様方も似合っていますよ?」
笑みを絶やさずにそう告げる。
「シホちゃん! ほかの人の前でその笑みは禁止や! 落ちる人が続発する!!」
「はて…? 私にはわかりかねます。
私は執事のお仕事をこなしているだけですよ?」
「くっ…確信犯か。
なかなかに手ごわい。な、なら部隊長であるご主人様の命令や! 笑みは禁止ぃッ!!」
「…わかりました。ご主人様」
それで私は笑みを消して普段通りの表情になる。
「…ううっ…。こんなにシホちゃんが似合っているとは予想外や。悪ふざけが過ぎるで?」
「ごめんごめん。こうやって昔は周りの貴族や執事に舐められないように気を張っていたから」
「シホちゃんの今までの経験ってすごいね…」
「うん…」
「そ、そんならそろそろ行こうか…」
少し疲れたような表情ではやて達は歩いていく。
そして受付によって四人で受付を済ます。
その際、私はすごい目で見られていたが気にしない。
「…バルディッシュ、オークション開始まであとどれくらい?」
《3時間27分です》
「そう…」
「それまで見学でもしていましょうか。フェイトお嬢様」
「そうだね。…でも、その呼ばれ方は慣れないよ、シホ…。
それに周りの女性達が私達を見てるよ? 少し恥ずかしい…」
「私とて恥ずかしいのですから我慢してください。
私はこの時間のあいだは執事モードで行かせていただきますので」
一瞬、すれ違った道の方にユーノとヴェロッサがいたようだけど、バレると恥ずかしいので知らないフリをしておいた。
途中で色々な人とも話を交わしていると、
「ふふ…シホさん。今日は執事なの?」
「あ、ミゼさん! 来ていたんですね」
「私もいるよ、シホちゃん! フェイトちゃん!」
「すずか!」
そこにはドレス姿
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