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倒せない敵
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す……」

「そのまま、お前はナナミをつれて逃げろ!こいつは俺がどうにかする!」

 そう叫ぶが視界に入ったシュートは首を振った。

「嫌です。僕でも倒せないことはわかっています。でも、今の状態のゲツガさんにもどうにかすることなんて出来ない。それに、この人を感染者にしたのは僕だ。これぐらいのことをする権利はあるはずです。早く逃げてください!ここはもう危険です!」

 シュートはそう言ったあとにナナミに逃げるように言う。しかし、ナナミは首を振って立ち上がる。

「何かはわからないけど、あれはお兄ちゃんのアバターだけど何か違う気がする。それにさっきの文脈を聞いたら何か変な事件みたいなものにあってるってことがはわかったわ」

 そう言ってナナミは逃げようとしないでジュンに向けて構えを取る。

「何言ってんですか!あなたはこいつのことを何も知らない!それなら逃げるのが普通じゃないんですか!?」

 シュートはナナミにそう言うが、ナナミはシュートのほうを見て言う。

「あの二人は私の家族なの。それに何が起こってるかわからないけど大変ってことはわかる。だからって逃げるわけにもいかないの」

 そう言ってナナミはウィルスに向けて接近する。そして綺麗に鳩尾に蹴りが決まったがウィルスはそれを食らってもへらへらとしている。

「それがどうしたんだ、お譲ちゃん?」

 そしてその足を掴むとそのまま後ろにいるシュートの方に目掛けて投げ飛ばした。

 シュートはナナミを受け取るように掴んだが、その僅かな時間だけですでにウィルスはシュートとの距離をゼロにしていた。

「えっ!?」

 シュートはそれに驚くが、すでにウィルスはシュートとナナミを拳で体を貫いていた。

「あ……れ……」

「けほっ……」

 あまりの衝撃名出来事に二人は思考が追いついておらず、ただその状態を呆然と見ていた。

「おいしょっと。ギリギリ残るぐらいに手加減したつもりだけど残るか?」

 ウィルスはそう呟いて、拳を抜くとノイズを発生させる。そして、自分と同様シュートとナナミにノイズを発生させて空中で腕と足を拘束し、貼り付けた。

「きゃあああああああ!!」

「うわあああああああああ!!」

 シュートとナナミはノイズに腕と足を入れられた瞬間に痛みが走り叫び声を上げる。
 
「安心しろよ、どうせすぐにお前らは感染者になるんだから、その痛みもなくなるって」

 そう言ってまずはナナミの頬に手を当ててそのまま持ち上げる。そしてウィルスの口からは水晶体のようなものが見える。

「やめろ!」

 叫んでウィルスを止めようとするがそれを無視して埋め込もうとする。

「クソッ!やめろぉぉぉぉぉ!!」

 叫びも
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