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倒せない敵
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 何発殴っただろうか?ウィルスの弱点を探すべく隙を見ては攻撃を入れてきたものの弱点を見つけることすら出来ない。

 何度やっても同じような反応、そして減らないHPゲージ。さらに、ジュンの体に慣れてきているのか更に加速されていく攻撃。

 本当にこいつを自分は倒せるのだろうか。

 そんなことばかりが頭の中をよぎる。その言葉を振り払うように頭を振って気持ちを切り替えようとする。しかし、その瞬間にウィルスは接近して腹に向けて拳を振りかぶる。

 それを体を捻って避けるとそのまま顔面に向けてこちらも拳を振り下ろす。だが、その攻撃は読まれていたこのように避けられる。そして更に振り上げた腕を下げてくる時に頭に向けて肘を落としてくる。

「おらっ!」

 しかし、ウィルスの攻撃をギリギリでかわすとそのままこちらも肘でウィルスの鳩尾をつく。それを食らうがやはりダメージを負っていない。だが、それでも諦めずにそのまま肘を突き刺した状態からそのまま拳を上げて顔面に叩き込んだ。

 若干だが顔が仰け反る。その瞬間に蹴りを入れるがそれも意味がない。

「これも駄目か……」

「無駄だって言ってるだろ?俺にはお前のような奴では傷一つ、それどころかHPゲージの一ドットも減らすことなんて出来ないんだからな」

「うるせぇ、そんなことやってないことを試してみなきゃわからないだろうが」

「たとえ試したところで無駄だ。普通のプレイヤーじゃ俺らは倒せないんだからな」

 そしてウィルスは接近すると今度は拳を肩に向けてはなってくる。それを受け流そうと手を出すとちょうど当たる瞬間にその手がぴたっと止まった。

 そして逆のほうから蹴りが迫っていた。

「クソっ!」

 そう毒を吐くと地面に這いつくばるように姿勢を低くする。それで避けることが出来たがその足を空中に止めてそのまま、地面に落とした。

 それを避けることが出来たが、地面に当たって地面がえぐれるのと同時に大量の砂が巻き上がり視界を塞いだ。

「なっ!?」

 砂塵が視界を塞ぎ、何も見えない状態になる。これじゃあ、相手がどこにいるかはわからない。

「どこに行きやがった!」

 あたりを見渡しながらウィルスを探すがまったく見えない。急に目の前の砂埃が膨らんでくるのを確認することが出来た。その膨らんだ箇所は自分の顔面に向かってくるので体を後ろにそらすとその膨らんだところから拳が出てくる。

「そこだ!」

 体を後ろに反らした状態から蹴りを放つ。しかし、それは体重もかけれずに重さの乗らない蹴り。しかし、場所を確認するのには十分だ。

 当たったのを確認するとその足を軸にそのまま回転して回し蹴りをこめかみの部分と思われる場所に当てる。

 しかし、足
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