感染
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ジュンは体が完全に乗っ取られていないため、何とか勝ち目があるかもしれない。すぐさまジュンに接近して脇腹に向けて拳を叩き込む。
ジュンは避けることなくその拳をもろに食らった。しかし、その体は何もなかったようにブレがない。だが、攻撃の手をやめない。自分の打てる最高速、最大限の力を発揮してジュンを殴るまくる。
しかし、ジュンのHPもまったく減らない。ウィルス感染するとこうなるなんて本当に厄介である。自分のときはなかったくせに何で今になってこんなものをつけたんだ、そう思いながらジュンを殴り続ける。
「効かない……んだよ……そんな……へなちょこ……パンチ……」
「そんなの言われなくても分かってんだよ!!」
確かに、こんなことをしても意味がないのかもしれない。今のところはウィルスの出し方なんてわからないだ。
「でもなぁ、少しでもこいつらの抵抗策を探すしかないんだよ!」
そして今度は足を払って、ジュンを転倒させる。そしてシュートと同じようにキャメルクラッチとエビ反りを同時に決める。
だが、それでもジュンの様子は変わらない。やはり何か特殊な条件がないといけないのか?いや、あの時はシュートの意識は完全に乗っ取られていた。しかし、ジュンの場合はまだ乗っ取られていないから効かないのか?
だが、今の状況を打破するにはジュンの中からウィルスを取り出すしかないそれだったらいろいろと試さなきゃならないだろう。
そして締めが緩むとジュンが体を捻って抜け出すとそのまま距離を取った。
「い……いかげん……逃げろよ……お前……こいつ……に……狙われて……る……んだ……ぞ……。…3手それなのに……逃げないって……頭……悪いのか……」
「ああ?頭が悪い?確かに狙われてるのに逃げないなんて馬鹿なことだろうな。でも、俺がここで逃げたらどうなるかは俺自身がよくわかってるんだよ。ここでお前を止めなかったらこのゲーム内で感染者が増え続ける。そうなったらゲームどころの話じゃなくなるだろうが。逃げたら俺のせいで感染者が増えるだろうが」
そして、状態を立て直すと再び構え直す。
「それなら、戦ってた方がいいじゃねぇか」
「……馬鹿だな……」
ジュンは苦笑しながら言うと苦しそうに胸を押さえて蹲った。
「おい、ジュン!!」
近づこうとするとジュンは急にさっきの様子が嘘のように、スクッと立ち上がる。その瞬間から、さっきまでと違う雰囲気がその場を包み込んだ。
「……」
ジュンの顔には先ほどと違ってまるで感情のない目。さらに体の所々にほんの少しだけノイズが見えた。
「……チクショウ……もう、ウィルスが出てきやがった……」
周りを珍しそうに眺めるジュンの姿をした何かは、視界
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ