感染
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に入るものを珍しいようで観察し始める。
こいつ、何かわかってないのか?そんなことを思うがウィルスは何をするかわからない。ジュンのような何かを観察する。
「ようやく出られたか……」
ジュンの中からようやく出られたのかそう静かに呟いた。
自分の直感が告げている。こいつはもうジュンではなくウィルスだと。自分の直感のほかにも出ている感じが今までのジュンの感じではなく、パスやチェンジャー、レストア、それにさっきまで感染者であったシュートのような感じがする。
「ようやく出られたって事はとうとう登場ってわけか……」
その言葉に初めてこちらを向く。その無表情からは何も読み取れない。
「……」
そして、話しかけてからしばらくその場に沈黙が訪れる。
息を呑み相手の言葉を待つが相手は一向に何も話そうとしない。動こうとも喋ろうとも何もしないようにまるで動こうともしていない。痺れを切らし、こちらから話しかける。
「おい、お前はジュンか?それとも別の奴か?」
そう問いかけるとようやく相手も口を開いた。
「……ジュン……それが、俺の体の名前か?」
「お前の体じゃねえ。その体はお前の所有物じゃねえんだから早くその中から出て行け」
そう言うと、何かはにやりと口を吊り上げた。
「いいや、この体はもう俺の所有物だ。こいつは俺の侵食でもう完全に意識は隔離してある。そして、この仮想体(アバター)を動かせるのは俺だけだ」
「お前の名前すらわからないんだ。名乗ったらどうだ?」
「俺か?名前なんてないよ。俺はシードに埋め込まれて出来た言わば生まれたての奴だからな」
「そうか。名前がないなんて奴いるんだな」
そう呟いてから構えて、ウィルスに向けて言った。
「お前にもう一度言うぞ。その体は俺の家族の仮想体(アバター)なんだよ。その体から出て行け!」
叫び、ウィルスに向けて接近する。
「しっ!」
まずは鳩尾に向けてしたから突き上げるように拳を振る。しかし、ウィルスはその拳を軽々と受け止めると、腕を掴んで引っ張る。
そしてそのまま、顔面に拳を叩き込もうと振るう。
さすがに引っ張られている状態での攻撃は食らうと本当に厄介だ。体を捻ってどうにか避けようとするが少ししか体を動かすことしか出来なかった。
「くっ!」
せめて威力を弱めようと当たる瞬間に首を捻る。しかし、ウィルスによって攻撃の威力がものすごく強化されているせいか、首を捻っただけでも威力を殺すことが出来ずにそのまま吹っ飛ばされる。
そして後ろにあった木に勢いよく衝突する。そして視界の端に見えるHPが急激に減っていくのが見える。
「げほ、げほ……やっぱ、ウィルス
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