第1章
旧校舎のディアボロス
第28話 怒らせる相手を間違えた
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それを避けながらドーナシークへ蹴りを入れる。
「ぐあっ!?……うっ……ごはぁ……」
ドーナシークは数歩後ずさった後、口から血を吐く。
「ハァァァ!!」
そこからさらに、ドーナシークは千秋の蹴りの猛襲にもう虫の息になりつつあった。
「……………」
ドーナシークは木を背にしながら満身創痍になっていた。
口で何かを言おうとしているのか絶え間無く動いていた。おそらく、命乞いを言おうとしているのだろうが、もはや喋る力も残っていないのだろう。
「………」
千秋は無言で胸に蹴りを放つ。ドーナシークは血を盛大に吐くとそれ以降動かなくなった。
「チィッ!」
「こいつッ!」
爆発のダメージから回復した女堕天使の二人が光の槍を手に千秋に襲いかかるが、千秋はそれを紙一重でかわす。
「クソッ!?」
「なんで当たんないのよ!?」
女堕天使の二人は自分の攻撃が当たらない事に焦りを感じ始めていた。
「ハァッ!」
千秋は女堕天使の二人の攻撃をかわしながら、二人をほぼ同時に蹴り飛ばす。さらに千秋はカラワーナへと矢を放つ。
「ぐあっ!?」
カラワーナの片翼を千秋の矢によって撃ち抜かれ、矢はそのまま木に刺さり、カラワーナの片翼は木に打ち付けられた状態になった。
「ク、クソッ!?」
カラワーナは矢を抜こうと、刺さっている矢に手を伸ばそうとする。
ドッ!
「がぁぁぁっ!?」
千秋はすかさず、その手を撃ち抜く。
「こ、この小娘が…」
ドッ!
カラワーナの言葉は千秋に頭を撃ち抜かれる事で最後まで口にする事は無かった。
「……ドーナシーク……っ!?……カラワーナ……っ!?」
残るミッテルトはたった一人の少女に三人掛かりでも歯が立たなかった事に対して驚愕していた。
「………」
千秋は無言でミッテルトに弓の照準を合わせ矢を引く。
「ひ、ひぃ!?」
ミッテルトは命惜しさに翼を羽ばたかせて逃げ出す。
林に紛れてもう狙撃は難しいにも関わらず、千秋は矢を放つ。放たれた矢は木と木の間を抜け、その後、何かに当る音がした。
千秋はミッテルトが逃げ出した方向へ走り出し、数分後、胸に矢が刺さったミッテルトを引きずってやって来た。
「お疲れ様。気は済んだのかしら?」
「……はい」
「あらあら、一人で堕天使三人を倒してしまうなんて、凄いですわ」
「……ありがとうございます」
「さて、ここも片付いたし、イッセー達の元に向かうとしましょう」
「はい、部長」
「……はい」
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