第26話 わたしも一緒に
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
流石に。
さて。彼女が納得してくれたのなら、今日のトコロはこれで良いでしょう。
まして、俺の能力が完全回復していないのなら、睡眠は重要。少しでも余計に霊力の回復を図るべきですから。
「納得してくれたのなら、俺は、俺の部屋に帰らせて貰うな」
そう言って、有希が眠るべき寝台から立ち上がろうとする俺。未だ、完調とは言い難いけど、それでも、この身体自体がまるで他人の身体のように感じていた時ほどの違和感が残って居る訳では有りません。
まして、何時までも俺が、彼女の寝台を占拠し続ける訳にも行きませんからね。
しかし……。
しかし、軽く肩に手を置くだけで、その俺の動きを封じて仕舞う有希。
そして、
「あなたは未だ完治して居る訳では無い」
ゆっくりと、一言一言を正確に発音するかのように、そう話し掛けて来る有希。
普段よりも優しく、更に、俺の心の何処かに響く彼女の声は、何故か非常に心地良く……。
そして少しずつ、目覚めた時の状態。つまり、有希のベッドの上に仰向けに成って寝かされて仕舞う俺。
先ほどまでは感じて居なかった眠気と、そして、室内の照明が妙にぼやけるような感覚の向こう側から響く彼女の声。
「今晩までは、わたしの傍で眠って欲しい」
その声と、シルエットと成った彼女の姿を瞳に感じた後に、俺の意識は再び、深い眠りの世界へと旅立って行ったのでした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ