第26話 わたしも一緒に
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た後に、首肯く有希。
そして、
「今のわたしには判る。今のあなたと、倒れる前のあなたとの間には確かに差異が存在する」
……と、問い掛けて来た。
口調は普段通り。しかし、今の彼女の発する気は、明らかに俺の事を心配しているのが判る雰囲気。
成るほど、流石に気付いたと言う事か。
俺の傍らに居て、俺から直接、気を受け取っている有希が霊気……。俺のそれを正確に表現するのなら、龍気と言う方が正しいか。彼女が、俺の龍気の質を明確に感じる事が出来るようになったとしても不思議では有りません。
まして、仙骨が存在する事から考えると、仙術の才能と言う点から言うのなら、彼女は希有な才能を秘めて居るはずですから。
「まぁ、その事については、隠しても意味はないか」
現状の俺の能力では、回復度合いは五割程度。こんな状態では、とてもでは有りませんが羅?星を相手に戦える状況にはないと思います。
それならば、
「すまんけどな、有希。綾……。玄辰水星と連絡を取って貰えるか?」
☆★☆★☆
「目が覚めたのですね」
有希の寝台に、上半身だけ起こした姿勢で彼女を出迎えた俺に対して、かなり、落胆したかのような雰囲気を纏った彼女が言葉を投げ掛けて来た。
部屋に入って来たそのすぐ後に……。
ただ、今と成っては、彼女のこの反応も納得出来ます。
何故ならば、彼女も有希と同じように、今回の羅?星との戦いに俺が関わる事を望んではいないはずですから。
いや、もしかすると、有希よりもその想いは強いかも知れない相手ですから……。
「目が覚めただけで、完全に復調した、とは言い難い状態ですけどね」
本来の彼女への対応としては、かなり丁寧な……他人行儀な対応。ムカデと戦う前と変わらない言葉使いで対応する俺。
それに、現在の俺の状態がこの言葉通りの状況で有るのも事実。
まるでキツイ鼻詰まりのような状態と言えば伝わり易いですか。気の巡りが異常に悪い状態で、身体のスムーズな動きに不都合が発生するレベルの状態ですから。
「この状態はおそらく、ムカデの毒に霊道が穢されて、気の循環が阻害されている状態だと思います」
有希の寝室内に入って来て、俺の座るベッドの脇の椅子に腰を下ろす玄辰水星。そんな細かな仕草にも、彼女の清楚な雰囲気と、妙な既視感にも似た強い何かを感じる。
そして、俺の語った推論に対する、彼女の答えを聞く前に更に続けて、
「そこで、出来る事なら。……完全に体調を回復させる方法が有るのならば教えて貰いたいのですが」
……と問い掛けたのでした。
但し、この問いに対して、俺の望む答え。俺を完全に回復させる方法が返って来る可能性は、高く見積もっ
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