指導碁の後に
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なこと言ってこなかったくせに。ヒカルが手元から視線を上げると、佐為の真剣な表情を目にする。途端に心苦しくなってぱっと俯いた。
「私は、ずっと違和感があるんです。ヒカルは初めて会ったとき、私を見てひどく動揺していましたよね。あの驚き方は尋常じゃない、と私は思うんです」
「・・・それはお前が綺麗だったから」
嘘も下手くそになったもんだとヒカル自身感じていた。こんな薄っぺらい言葉を使う人間がいるんだろうか。納得のいかない佐為は表情を曇らせ、さらに問いただしてくる。
「ヒカルと目が合うたびに、ヒカルは悲しいような、そんな表情をします。ひどく優しい表情も」
息もつかせぬ佐為の追及に舌が回らない。
「べ、つに、俺は」
「私は何が原因か全く見当もつかない。ヒカルがそんな表情をするたびに、私はひどく心が痛むんです」
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