魔法先生ネギま!
0316話
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い汗が浮き出ていた。白髪の左胸の部分、即ち心臓のある場所には黒い金属質の円錐状の物体が浮かび上がっていたのだ。恐らくあのままこいつの心臓を殴りつけていたら俺の手はこの物体に拳を貫通させられていただろう。
だが、驚くべきはその魔法が行使されるまでの速度だろう。無詠唱にしても魔法発動まで多少の時間は必要な筈だ。少なくても俺はそうだ。しかしこの白髪は殆どタイムロス無しで魔法を使って見せたのだ。
「……お前みたいな凄腕がこんな所に出て来るとはな。さすがに予想外だ」
「フフ、僕としても君レベルの使い手とこんな土地で会えるとは思ってなかったよ」
お互いに笑みを浮かべつつも、相手の隙を探りながら距離を取る。
「な、なんや。あの新入り信じられん程の使い手やないか。それにあのガキも……」
陰陽師の女の呟くような声が聞こえて来るが、こっちとしてはそれ所ではない。一瞬でも目を離せば即座に命を落としかねない使い手。そんな相手に対して隙を見せる余裕なんてある訳がない。
だが、スライムや空間倉庫、念動力のようなこの世界以外のスキルを使わないでこの白髪とどこまでやれる? 一応近右衛門との契約としてはこの世界の技術以外は使わないとなっているが、さすがに自分の命が掛かっているのにその契約を守って死ぬのは御免なのでいざという時には破らせて貰おう。だが、まずは……
意識を集中し、SPを練り上げて口を開く。
『魔法の射手、炎の7矢!』
通常よりも大量のSPを消費して生み出されたその炎の矢は、既に赤というよりもより温度の高い青みがかった炎へと変化していた。
「へぇ、何かアレンジを加えてるのかな? 普通の炎の矢とは違うようだけど」
「それは自分で食らって確かめてみるんだ……なっ!」
その言葉と共に、炎の矢が7本、白髪へと向かって飛んでいく。ただし普通なら一直線に飛んでいくはずのそれは、ファントムを使いこなしてきた俺のイメージによりそれぞれが異なる軌道を描いている。
「器用だね。けど」
相変わらず無表情で感心するように呟く白髪だが、回避すらせずに黙って自分へと飛んでくる炎の矢を眺めて……否、観察していた。
その様子に不審な物を感じつつも、まずは一当てしてみない事にはどうにもならないと判断。そのまま青く燃えさかる炎の矢を突っ込ませる。だが……
「……何?」
白髪に向かった炎の矢は、まるで何かにぶつかったかのように砕け散ったのだ。
何だ? ……いや、そうか。エヴァが常時展開しているという魔法障壁の類か!?
「……ふむ、魔法の威力も予想外。まさか魔法の射手如きで僕の障壁が軋むとは思ってもみなかったよ。これはちょっとそっちの戦力を過小評価してたかな? けど、次は僕の番だね」
そう呟くと、瞬動
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