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SAO−銀ノ月−
第五十六話
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とするか。

「どうやって空を飛ぶんだ?」

 《世界樹》のことを聞こうかとも思ったが、まずはこの世界での常識であるらしい《飛翔》のことを教えて貰うとしよう……《世界樹》のことは現実でも調べられるが、《飛翔》はそうもいかない。

「おお、やっぱそれからだよな。まずはコントローラーを出しな。左手をコントローラーっぽく握り込むんだ」

 言われた通りに左手を操作すると、SAOと同じように左手に補助コントローラーが現れ、少し前に倒してみると羽根がピクリと動いた。

「動かし方は普通のコントローラーと似たような感じさ。後は怖がらずに飛んでけ!」

 随分と感覚派のシルフに腰を叩かれ、コントローラーを押しだして飛翔する……確か流し読みした説明書によれば、そんなに難しい操縦では無かった筈だ。

「……っと!」

 風切り音と飛翔する感覚が身体を包み込み、飛翔するというのは中々に爽快な感覚で、これなら流行するのも頷ける。
おっさんシルフは『怖がらずに』と言っていたが、《縮地》より遅い今では、スピードに関しては特に恐れることなど何もない。

 空中でクルリと旋回してみせると、おっさんシルフから拍手が捧がれて何か言っているようで、おっさんシルフの言葉を聞くために空中でしばし滞空する。

「ニュービーにしては筋が良いな。……そうだな、こっから東の森に飛翔の練習場みたいな場所があるんだ、せっかくだから行ってみろよ」

「飛翔の練習場、ねぇ……」

 もうそろそろ《飛翔》にも慣れてきそうだし、正直この補助コントローラーはお世辞にもかっこいいとは言い難いし、飛行速度自体が上がるらしいので、翼だけで自由自在に飛び回りたいところだ。

「色々ありがとう、行ってみることにする」

 色々教えてくれたおっさんシルフに礼を言うと、東の方角へと初期装備のちゃっちい片手剣を装備しながら、今の自分に出来る限りの速度で飛翔していった。

「おっさん、東の森ってサラマンダーの狩り場じゃね?」

「飛行の練習にはなるだろ? すぐここに戻ってくるだろうがな」

「なるほどな……」

 ……そんな話が、俺が飛び去った場所でやりとりされているとは、全く知らないままに。

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