第五十六話
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て文字化けしている……?
「バグか……?」
一番最初に思いついた可能性はそれであり、とりあえず何が出るか気になった為に、文字化けしたアイテムを出現させるべくボタンを押した。
一度メニューからスパークが走り、何か糸のような物が一瞬出現したものの、それから直ぐに無くなってしまった。
「今のは……」
やはりただのバグか……と普通は思うだろうが、俺の眼はもう一つの可能性を提示していた。
「……アリシャの糸?」
ギルド《COLORS》のリーダー、アリシャのメイン武器――武器と言って良いものか微妙だが――彼女があらゆる環境で使っていた《糸》そのものだった。
彼女が《PoH》に殺された際に、ギルド《COLORS》の共有ストレージにその遺品を遺したため、俺のアイテムストレージにある物だった。
その遺品である《アリシャの糸》が何故ここにあるかは解らないが、この文字化けのアイテム達は全て、SAOで俺が手に入れたアイテムだということだろう。
……これも《ナーヴギア》と同じように、捨てることなんて出来やしない。
「おいニュービー! そっから離れた方が良いぞ!」
アイテムストレージを閉じると、周りからそんな声が響き渡り、ニュービーとやらにそこを離れるように言っているようだ。
しかしSAOでいうところの《圏内》で、そんな急いで離れなくてはならない状況になるとは、そのニュービーとは――
「ぐあっ!?」
――そんなことを考えている内に、気配もなく頭上から蹴りを喰らい、そのまま床に倒れ込んだ。
「あれ、悪い悪い。でも、ニュービーがそこにいるのが悪いんだぜ?」
頭上から見事な一撃を放ったのは重装備のシルフで、そのまま一度謝った後にどこかへ歩いていくと、代わりに他のシルフが一人歩み寄って来た。
「だぁから離れろって言ったのによ、ニュービー」
どうやらその少し老けた顔のシルフは俺に話しかけているようで、クラクラした頭を直しながら立ち上がると、そのシルフへと話しかけた。
「ニュービー……?」
「おいおいそっからか? 『初心者』って意味だよ、初心者〈ニュービー〉」
『ニュー』というのはその意味から解るのだが、『ビー』とは何だろうか……などとくだらないことを疑問に思ったが、そんなことは本当にどうでも良い。
……しかし、フルダイブ環境下で二年間ずっと暮らしてても初心者とは、彼はどれだけフルダイブ環境下にいるのだろうか……なんてな。
「すまないな、わざわざありがとう」
「良いってことよ。じゃあついでよ、他になんか聞きたいことはあるかい?」
お節介というか最初の村のおじさんポジションというか、このシルフはそんな性格のようなので、せっかくだから聞かせてもらう
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