六式vs御神流
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移動していく。
どうやら士郎さんはやる気満々のようだ。
「嵐脚を見た後で、やる気が上がるって……バトルジャンキーだな、あの人……ん?」
特に何も無い、ただの独り言を俺が呟いた時だ。
後ろから袖を”グイグイ”と引っ張られる感覚がしてくる。
ふと…後ろを振り向けば、そこには何かを心配した表情の高町さんが居た。
「どうしたの? 高町さん」
「あの……神田君。
今の技……お父さんに使わないよね? だって、あんなの……」
高町さんをよくよく見ると顔色も悪くなってる。
体も声も少し震えいるのがわかる……。
ここ数日間、高町さんの表情を色々と見てきたが……こんな高町さん、始めて見た。
「今の嵐脚は、士郎さんに発破を掛ける為に強めにやった…。
実際にあの威力を士郎さんにぶつける訳じゃない……だから、その辺は安心してくれ」
「で、でも!―――」
「ストップだ、なのは」
高町さんの声が大きくなった時だ。
恭也さんが高町さんの肩に手を置き、高町さんに静止を促す。
「なのはの気持ちも解からなくもない。
だが思い出せ、俺が何のために審判をやるのかを……」
「……怪我が……無いようにするため…」
「そうだ。
お互い全力を出すから、無傷とは言えんが……安心しろなのは。
それに…なのは、父さんに言ったろ? 『がんばって勝ってね』って」
「あぁ……」
高町さんは何かに気づかされたように、声を出す。
次第に顔色も良くなり、体の振るえも止まっていた。
ただ…対戦相手が居る中で話す内容の話ではないよな?
士郎さんに勝てってことは、逆に俺は負けろってことなんだから。
「な? だから、父さんの応援してやれ」
「うん!」
ふっ……なるほど。
これがアウェーでの試合というやつか……。
もうこの兄弟の会話をこれ以上聞くのはアレなので、俺も士郎さんの元へと歩む。
「すまないね。
家のなのはが、我が儘言って」
「いえ、いいですよ別に…。
それに…我が儘言えるのは子供の特権ですから」
「ははは、子供の君がそれを言うとはね」
嵐の前の静けさ……というヤツだろうか?
戦う前のほんの些細な会話をする俺と士郎さん。
俺が天気予報しなら、今はこう答えるかな? ……大荒れの予感だと
「―――そろそろ、始めますか?」
「―――あぁ、そうだね。
―――なのはも安全なところにいるし……恭也」
「は、はい。
それでは、試合を始めます、試合―――始め!!!」
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俺と士郎さんの試合開始時の距離は、およそ7メートル……。
普通は殴る斬るの攻防を
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