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魔法少女リリカルなのは 〜光の戦士〜
答え
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かなかった。いや、動けなかったの間違いだな。無力なオレが出来る事は邪魔にならない様にするだけだ。だけど、それでも今も被害に遭っている人達に罪悪感を感じてしまう。オレが行ければ救われる人が一人でもいるのではないか。そう思ってしまう。そんな姿を不審に思ったのか父さんに道場に一人で来る様にと言われてしまった。言われた時間に道場に行ってみると、明かりも点けずに入り口に背を向ける様にして父さんが待っていた。入り口の扉を閉めて、右手に光を失って黒く変色したスパークレンスを取り出す。父さんの左腕にはメビウスブレスが装着されている。道場の真ん中まで進んだ所で父さんが振り返る。

「……やっぱり、光がティガだったんだね」

「うん、黙っていてごめん。どう切り出せば良いか分からない事だったから」

「そうだろうな。僕も隠していたしね」

そう言って父さんはメビウスブレスを撫でる。

「何時から気付いてたの?」

「ティガが敗北したテンペラー星人の時からだよ。アレと同時に寝込んでいたし、その後の不調を考えればね。その前のヒッポリト星人の時から気になっていたけどね」

「……先代から受け継いだばかりだったんだ、ヒッポリト星人の時は。オレはウルトラマンの力を十分に発揮出来なかった。浮かれてたんだ、オレがウルトラマンだって事に。実際にブラックキングは余裕で倒せた。だから余計に浮かれてた。それが自分の力ではヒッポリト星人のカプセルは壊せなくて、テンペラー星人には負けて、周りから掛かるプレッシャーが重くて。偶々仲良くなった宇宙人の友達には父さんやGUYSに任せてしまえば良いじゃないかって言われて、心の何処かでそれを認めたからなのかティガからも見放されて。オレ、もうどうしたらいいのか分からないよ!!」

誰にも吐けなかった弱音を吐き、涙を零す。やはり見ているのと実際に行うのでは違いがありすぎる。こんなに辛い事だなんて思っても見なかった。

「光、僕が光に言ってあげられる事は一つだけだ。自分の事以外での理由を見つけるんだ。自分が弱いから、自分が耐えられないから。なんて理由じゃなくて、誰かの、何かの為の理由を。光が悩んでいるのはその部分じゃないのかい。それが見つかれば、後はコーヒーを一杯飲む時間があれば答えは出てくるさ」

自分の事以外での理由か。難しい事だな。オレは未だにこの世界を物語の世界だと思ってしまっている。オレの親は前世の親で、目の前にいるこの人は親だと思えていない。前世に未練が多過ぎるのが原因だ。オレは前世での生活に不満は……まあ、若干あったがそれも些細な物だった。だからこの世界に来てもどこか素直に喜べなかった。ほとんど邪神の所為だけど。

「それから、悩むのはいいけど、たまには周りにも目を向ける事だね。なのは、大分寂しがってるぞ」


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