第十八章
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南の突然の死を耳にし、頭が混乱していた。感情が昂りすぎて理性を失わせていたのだ。徐々に顔が歪んで、飯島を睨み据えている。飯島が刺すような視線を向けて叫んだ。
「そのあんたが、リストラを影で操っていたとは驚きだ。反吐がでそうだぜ。それに、何故、俺を左遷した。俺は誰よりもあんたを信頼し、誰よりも頑張ったんだ。」
西野は狼狽し、目の玉をぎょろぎょろと動かした。言い訳の出来ぬ状況に追い込まれ、本性を剥き出しにした。狡猾そうな目で飯島を睨んだ。開き直ったのだ。いや、飯島の反吐が出るという言葉に過激に反応した。
「ああ、お前は頑張った。誰もが認める。だからみなの視線がお前に集中していた。俺は、お前を中心にした不穏な動きを事前に察知したんだ。」
「馬鹿な、支社長が会議の後、集まって酒を飲み、おだをあげるのが、不穏な動きだというのか。確かに管理職ユニオン結成を言う奴はいた。俺を担ごうとする動きもあった。だが、俺は断った。群れるのは俺の趣味じゃない。それが不穏な動きとは、ケツの穴の小さい野郎だ。俺達が尊敬してやまなかった西野三郎はどこに行っちまったんだ。それが、こんな卑小な人間だったとは。」
西野は血走った目に憎悪を湛えて言い放った。
「何とでも言え。いいか、あれは俺が作った会社だ。俺は自分で作った会社を守りたかった。あのままいけば潰れるのは目に見えていた。経営者は時に冷酷になる必要があるんだ。そんな思いは、お前らに分からない。」
「自分で言った言葉を思い出せ。我が社ではリストラ犠牲者を一人も出さん。あんたはそう言って俺達を奮い立たせた。」
「みんな頑張ったと言うが、結局、収益は上がらなかった。時間がなかった。」
「時間がないから、給料の高い順に首を切ったってわけか。えっ、そんな馬鹿な話があるか。」
飯島はあきれ果て、卑しく、みすぼらしい老人を睨んだ。そして叫んだ。
「あと一年、あと一年頑張れば、挽回できた。産廃プロジェクトに曙光が見え始めていた。何件もの引き合いがきていた。俺だって3案件抱えて折衝を重ねていた。もし、一年待てば、あんたは一人の犠牲者を出さずに難局を乗り切った経営者として賞賛を浴びただろう。」
「案件数はあった。しかし、実績には繋がらなかった。あのまま行けば倒産だった。」
「違う、俺達は市場の手応えを肌で感じていた。支店長会議でも皆そう発言したはずだ。現場にこそ経営の指針がある。その現場主義はあんたが俺達に教えた。あんたは現場を離れてその感を失っていたんだ。」
「飯島、現実はそう甘くない。リストラのタイムリミットはとうに過ぎていたんだ。」
飯島の怒りが爆発した。
「貴様は恥ずかしくないのか。二人も自殺者を出した。貴様が殺したんだ。佐久間が狂ったのも貴様の責任だ。佐久間はリストラの実行者になって狂ったんだ。」
「そうだ、最初、俺
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