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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
十二話:やっとお城に入れました
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「……わかりました」

 これは、大丈夫では無い感じですが。

 かと言って背負って登れるほどドーラちゃんも体力あるわけじゃないしなあ、どうしたものか。
 でも、時間も無いし。
 ビアンカちゃんの踏ん切りがつくまで、待ってあげたいのは山々(やまやま)だが。


 ……時間が、無いの!
 ごめんね、ビアンカちゃん!!


「……ビアンカおねえさん。うしろから、……なにか……」
「えっ?……キャー!キャー!!いやー!!」

 日頃鍛えた演技力を(もっ)てして、非常に思わせ振りなセリフを吐いたドーラちゃんに、悲鳴を上げてすごい勢いで梯子を登って行くビアンカちゃん。
 効果は、抜群だ!

 ていうかひとりで突入されたら困るし、とっとと追いかけよう!


 ステータスの差を以て必死なビアンカちゃんにあっさり追い付き、屋内に転がり込もうとするビアンカちゃんの腕を掴んで引き留めます。

 このテンションであのイベントに突入したら、それこそ大変!

「キャー!!キャー!!」

 混乱状態で、ドーラちゃんをも振り払おうとするビアンカちゃん。
 ステータス高いので負けませんが。

「ビアンカおねえさん!だいじょうぶです!なにも、いませんから!」
「キャー!?……ほ、……ほんと?」
「はい!」
「でも……!さっき……!」
「かんちがいでした!」

 てへぺろ的な。

 個人的に、お茶目ぶって舌ペロリと出すあの動作が好きじゃないので、実際にはやりませんが。
 ……可愛いか?あれ?
 ドーラちゃんなら、あれですら可愛いのかもしれないが。
 ビアンカちゃんがやったら、……あれ?
 いい、かも?
 ……でも!やらないから!

「……もう!びっくりさせないでよ!」
「ごめんなさい!」

 てへぺろ(気分だけ)。

「……もう、いいわ。今度から、気を付けてね?」
「はい!」

 もうドーラちゃんがこんなことする必要は、無いと思うけど。
 このあと、本物が来るんだよね!

「入り口が、開いてるわね。それじゃ、行きましょうか!」
「はい!」

 この後の展開考えたら先でも後でも関係無い気はするが、ビアンカちゃんが前に出たがる様子も無いので念のため先に立って、いよいよ城内に侵入します。


 扉も無く開放された入り口を通り抜けるドーラちゃんに続き、ビアンカちゃんも城内に入った、その瞬間。

 ガシャーン!と派手な音を立てて鉄格子が落ち、出入口を閉ざします。

 ……もー!
 音とか、やめてよね!

「キャー!キャー!!」

 ビアンカちゃんが、びっくりしちゃうでしょ!
 もっと静かに、閉められんものかね!?

 ついでに照明が落ちて、室内が真っ暗
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