自殺が罪になった日
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[9]前 最初
カレンダーを彼女に渡した。
「北原さん。もう 出る時間だよ」
「はい」
彼女はバックを持ち玄関に向かった。
そこには彼女の母親が来ていた。
玄関扉のわずかな隙間から真冬の風が彼女の体をゾクッとさせた。
「お母さん。元気だった?」
「う ん。まいはどう ? 」
「こいつが世話を焼かすからリストカットする暇もなかったよ」
彼女はうしろをチラッと 見た。
「北原さん」
「水本さん。生放ジョークじゃないですか。お母さん。妹できたから紹介するね。これが妹のさ く ら」
彼女のうしろにく っついていたさ く らを手で引っ張り自分の横に出した。
「あら。かわいい。妹さん」
「どう も」
さ く らは照れながら彼女の母親に挨拶した。
そして。
「北原さん。頑張ってね」
所長が声を掛けた。
「はい」
彼女の刑期一ヶ月の服役は終了した。
刑務所を出てから、彼女の自殺願望がなく なったわけではない。職場関係、恋愛関係のトラブルがある度に「死にたい」と思ってしまう のであった。
一度、死ぬこと に逃げ道を求めた も の はまたそこに逃げてしまう。
そう、逃げ道の選択肢に死があるから人は
自ら、命を絶つ。
この選択肢に死というものがある限り
自殺する行為を罪としてもそれは制止力持たず。
志願者たちはそこに向かう 。
自殺というものをなく すのに方法は無い訳ではない。
それは自殺の存在を抹消することである。
しかし、根付いたものは深く。
取り除く ことは困難なことだし
「かわいそう です」なんて自殺者を増殖させる腐った社会の認識も厄介だ。
だが、「原発は安全です」という プロパガンダで国民をマインド コント ロールした実績を持つ。
日本政府が本気出したら 不可能ではない
本当に自殺者を〇にしたいと いう のならそうするべきです。
そうすることが出来たら。
人間は
どんなに悲しみに打ちひし がれよう が
借金がどれだけ膨らもうが
人はそこで
もがき苦しみ
人に助けを求め
善意か悪意が沁み見込んだ 手を 差し伸べられて
生きていく
心の臓が止まるまで
これが本来の人間の姿だと
俺は思う 。
こころから
岐路灯 吾さ雄
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