第15話
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い龍《バニシング・ドラゴン》』の単語を聞いた時、兄さんの表情が変わった。『赤い龍』と『白い龍』は戦い合う運命だ。現時点で、彼は『禁手』に至っているが、兄さんはまだ至っていない。圧倒的に兄さんの方が弱いのだ。強敵との避けられない戦いに不安もあるだろう。
「近いうちに天使側の代表、悪魔側の代表、アザゼルが会談を開くらしいわ。アザゼルから話があるだとか。そのときにコカビエルのことを謝罪するようね」
顔をしかめるリアス先輩。敵勢力なだけあって、いい感情はないみたいだ。
「私たちもその会場に招待されているわ。事件に関わったから、報告をしないといけないの」
「マジっすか!?」
兄さんが驚く。他のみんなも驚愕の表情を浮かべていた。
「そうだ、ゼノヴィアに聞きたいんだけど、『白い龍』は堕天使側なのか?」
「そうだ。アザゼルは『神滅具』を持つ神器所有者を集めている。何を考えているかはわからないがね。『白い龍』は『神の子を見張る者』の幹部を含めた強者の中で四番目か五番目に強いと聞く。現時点でライバルのキミよりも断然強いだろう」
なるほど、だから彼はコカビエルごときなんて言えたわけだ。しかし、前途多難な兄さんだな。
「・・・・・・そうだな、アーシア・アルジェントに謝ろう。主がいないのならば救いも愛もなかったわけだからね。すまなかった。殴ってくれてもかまわない」
アーシアさんに向けて、ゼノヴィアが頭を下げた。
「私はそんなことするつもりはありません。私は今の生活に満足しています。悪魔ですけど、大切な人に出会えたのですから。私は本当に幸せなんです」
大切な人の部分で兄さんを見ていたのは、彼女なりのアピールなのだろう。兄さんは気づいてないみたいだけど。
「・・・・・・・ありがとう。しかし、クリスチャンで神の不在を知ったのは私とキミだけか。断罪するなんて言えないな。尊敬されるべき聖剣使いから異端に。私を見る目の変わった彼らのことは忘れられないよ」
ゼノヴィアの表情に影が落ちた気がした。
「それでは、私は失礼する。転校するにあたって、まだまだ知らねばならないことが多いのでな」
扉に向かって、ゼノヴィアが歩き出す。
「あ、あの!」
しかし、アーシアさんが彼女を引きとめた。
「今度の休日、みんなで遊びに行くんです。一緒に行きませんか?」
屈託のない笑顔で言うアーシアさん。ゼノヴィアは驚くように目を見開いた。
「今度機会があればね。今回は興が乗らないかな。ただ・・・・・・」
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