第15話
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やら、頭を抱えてぶつぶつとつぶやき始めてしまった。どうやらゼノヴィアさんもやっちまった感を感じているようだ。
「そう言えば、イリナは?」
兄さんが思い出したように言う。
「イリナは私のエクスカリバーを含めた五本とバルパーの遺体を持って本部に帰ったよ。統合したエクスカリバーは破壊されたが核は残っているからね。奪還任務は無事成功と言うわけだ」
統合された陣のエクスカリバーは祐斗とゼノヴィアによって破壊された。エクスカリバーは核が無事なら、再び錬金術で鍛え上げることができるみたいなので大丈夫らしい。
「エクスカリバーを返しちまっていいのか? そもそも、教会を裏切っていいのかよ?」
そうそう、そこは気になる。
「エクスカリバーは返さないとまずい。あれはデュランダルと違い私以外にも使い手は見繕える。私にはデュランダルがあれば大丈夫だ。裏切ったことについては神の死亡について指摘したら何も言わなくなったよ。教会は異端、異分子をひどく嫌う。たとえ、デュランダルの使い手だろうと捨てるのさ。それこそ、アーシア・アルジェントの時のようにな」
兄さんの質問にゼノヴィアは自嘲しながら答えた。
「イリナは運がいい。怪我をしたために神の不在を知らずに済んだのだからな。私以上に信仰心が強かった彼女だ。神が死んでいることを知れば、精神の均衡はどうなっていたかわからないだろう」
敬虔な信徒にその真相はつらいだろう。自分の信じていたものはすでにいないのだから。
「ただ、私が悪魔になったことをとても残念がっていた。悪魔になった理由は言えないし、何とも言えない別れだったよ」
目を細めてゼノヴィアは言った。そうなると、次に会うときはイリナは敵になるわけか・・・・・・。ゼノヴィアは複雑な心境だろう。
「教会は今回のことで悪魔側に打診してきたわ。『堕天使の動きが不透明で不誠実なため、遺憾ではあるが連絡を取りたい』と。バルパーの件は過去に自分たちが逃がしたことに関して謝罪してきたわ」
遺憾ね。まあ、わからなくもないけど。でも、謝罪があるとは思わなかったな。
言い忘れていたが、破壊された体育館などは、あとから来た魔王様の関係者が直してくれた。たった一晩で修復させる悪魔の技術にびっくりです。
「今回のことは堕天使の総督アザゼルから、神側と悪魔側に真相が伝わってきたわ。この事件はコカビエルの単独行為で、他の幹部たちは知らなかったそうよ。コカビエルは戦争を起こそうとした罪で『地獄の最下層』で永久凍結刑が執行されるわ」
二度と日の光は拝めないわけですね。もう会いたくもないので、好都合だ。
「『白い龍』が、回収して今回の事件は終わったわ」
『|白
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