暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜銀白の剣士〜
第14話
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械音声が連続ですると、コカビエルを飲み込んでいた魔力がみるみる小さくなっていく。僕の放った一撃は普段の神討つ剣狼の銀閃(フェンリスヴォルフ)以下まで半減させられた。

そしてコカビエルは魔力嵐の中から落下する。受け身を取ることもできないようで、ボロボロの様子で地面に衝突した。

「フフフフフ、お前名前は? 俺はヴァーリ」

「兵藤渚だ」

「覚えておこう。お前の名を」

 そう言って、地に降り立ちコカビエルが立っていた辺りに歩いていく。

「いいざまだな、コカビエル。アザゼルに言われたとおりお前を回収するぞ」

 コカビエルは全身傷だらけというか、辛うじて原形をとどめていると言っていいだろう。両腕は崩壊し、十枚あった翼も見るのも無残になっている。

 ヴァーリと名乗った青年はコカビエルを担ぎ、さらに転がっているフリードも担いだ。そして、光の翼を展開し、空に飛び立とうとする。

『無視か、白いの』

 すると、兄さんの『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の宝玉が光って、そこから初めて聞く声がした。

『起きていたのか、赤いの』

 アルビオンの鎧の宝玉も光って声を発した。どうやら、二天龍同士のお話らしい。

『せっかく出会えたのにこの状況ではな』

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある』

『しかし、白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』

『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』

『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』

『そう言うことだ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう? また会おう、ドライグ』

『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』

 二龍の会話はこれで終わった。青年が宙に浮かんでいく。

「キミがもっと強くなるのを待っている。俺の宿敵くん」

 最後に兄さんに向かって言い放ち、二人を抱え青年は飛び去っていた。

「これで、終わりか」

 ボロボロの校庭を見渡した。きっと僕が神討つ剣帝龍の咆哮(オーヴァーロード・フェンリスヴォルフ)を地上に向けた撃ったらもっとボロボロになっていたに違いない。まあ、あれは兄さんからの譲渡があって初めてできるような技なので、そうそう使う機会もないだろう。

「やったじゃねぇか、色男! へぇー、それが聖魔剣か。綺麗じゃないか」

 緊張が抜けたのか、兄さんは祐斗へと駆け寄って、聖魔剣を見ている。白と黒、反する色が混じってできた剣は確かに美しかった。

「イッセーくん、僕は―――」

「今は言いっこなしだ。いったん終了でいいだろう?」

「・・・・・・・そうだね」

 祐斗ももとに戻ったようでよかった。

「祐斗」


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