第10話
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そして、夜。恒例のようにリアス先輩がベッドに潜り込んでくる。人間は慣れるもので、最近では普通に寝れるようになった。
―?ゾクリ
寝ている最中に殺気というかプレッシャーを感じて、僕とリアス先輩が飛び起きる。
窓に駆け寄って、下を見下ろすとそこには見覚えのある神父がこちらを見上げている。
「部長! 渚!」
兄さんとアーシアさんが血相を変えて、部屋に転がり込んできた。そして、窓の外を兄さんが覗く。
「クソ神父!」
兄さんが大声を上げる。僕たちを見上げていたのは、フリード・セルゼンだった。
あいつが無事となると、祐斗やイリナそしてゼノヴィアさんのことが気になる。無事だといいんだけど・・・・・・・。
窓の外を見下ろしていると、フリードが手招きしている。
「堕天使か・・・・・・」
リアス先輩が忌々しそうにつぶやいた。そして、僕らは急いで制服に着替えて部屋のドアを開け放ち、そこから飛び出した。
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「やっほー、ご機嫌麗しいねぇ。元気にしてた?」
家の外にはふざけた口調のフリードがいて、話しかけてきた。
「何の用?」
問いかけるが、フリードは嘲笑するだけ。
ふいに、リアス先輩が上を見上げた。それに倣うように僕も上を見上げると、そこには月をバックに黒い翼を十枚も生やした黒いローブに身を包んだ若い男の堕天使が飛んでいた。
「はじめましてかな、グレモリー家の娘。紅髪が美しいものだ。忌々しいキミの兄君を思い出すよ。反吐が出そうだ」
苦笑いを浮かべ、憎悪を感じるような挑発的な物言い。リアス先輩も冷淡な表情を浮かべて返した。
「ごきげんよう、堕ちた天使の幹部―?コカビエル。私はリアス・グレモリーよ。それと我がグレモリー家は、魔王に最も近く、最も遠い存在。私に政治的なやり取りを求めるのは無駄だわ」
コカビエルね・・・・・・・。前にリアス先輩が言っていた聖書にも記された堕天使か。大物の登場だね。
僕がコカビエルを注視していると、やつが何か―――あれは人間か? 暗くてよくわからないがおそらくはそうだろう。とにかく何かを抱えているのがわかった。
「こいつは土産だ」
コカビエルは抱えていた人間(?)を放り投げた。
「おっと!」
僕が反応しようとしていたら、先に兄さんが反応してキャッチした。
「お、おい! イリナ!」
どうやらコカビエルが抱えていたのは、紫藤イリナだったらしい。血まみれで息も荒く、全身傷だらけ。一刻も早い治療が必要だ。
「俺たちの根城にまで来たのでな、それなりの歓迎
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