暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜銀白の剣士〜
第6話
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Side 渚


「話はわかったよ」

 兄さんは祐斗を呼んで、聖剣の破壊についての説明をした。

「正直言うと、エクスカリバーの使い手に破壊を承認されるのは遺憾だけどね」

「私も、そちらが『はぐれ』だったら問答無用で斬り捨てているよ」

 祐斗とゼノヴィアさんがにらみ合う。そう言えば、彼女は確かもう一本聖剣を持っていたはずだよね。 さすがに名前までは思い出せないけど。

「やはり、『聖剣計画』のことで恨んでいるのね。エクスカリバーと教会を」

 祐斗は「当然だよ」と肯定した。

「あの計画のおかげで、確かに聖剣使いの研究は飛躍しただろう。でも、計画が失敗したからと言って、被験者ほぼ全員を殺すことが許されると思っているのか?」

 神に仕える側の行いにしては、確かにずいぶんと非人道的だ。

「その事件は教会でも嫌悪されている。処分を決定した責任者は異端の烙印を押され、いまでは堕天使側の住人をとなった」

「堕天使側に? そいつの名前は?」

 ゼノヴィアさんの話に興味を持った祐斗が訊いた。

「バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれた男だ」

「・・・・・・・堕天使を追えば、その男に行きつくのかな」

 仇敵のわかった祐斗は、新たな決意をしたようだ。

「僕も情報提供したほうがいいようだね。先日エクスカリバーを持った者に襲撃さえれたよ。その際に神父が一人殺されていた。殺されたのはそちらの者だろうね」

『!』

 この場にいる全員が驚いた。今まで黙っていたのは、何かしら思うところがあったからか・・・・・・・。

「フリード・セルゼン。この名前に覚えは?」

 思い出すのは、堕天使にかちこみをした時のことだ。祐斗の言葉に彼女たちは目を細めて、フリードについての情報を提供してくれた。

 情報によると、とにかくフリードはいろいろな人に嫌われているらしい。まあ、あの性格ならわからなくもない。

「まあフリードについてはいいだろう。エクスカリバー破壊の共同戦線と行こうか」

 紙にペンを走らせて、連絡先をこちらによこした。

「ありがとう。僕らの連絡先は―――」

「イッセーくんと渚くんの連絡先はおばさまからいただいているわ」

 母さん・・・・・・・勝手に教えるのはどうかと思うよ・・・・・・・。

「では、そういうことで」

 ゼノヴィアさんが席を立った。

「食事ありがとうね。また奢ってくれるとうれしいな」

 イリナは図々しいな。

 去っていく二人を見送り、大きく息を吐いた。屁理屈をこねただけだが、協力関係を築けたので、万万歳だ。

「・・・・・・・・どうしてこんなことを?」

 祐斗が僕たちに訊いてくる。


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