第八十九話
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移動した。
セラとリズが慌しくエヌマ・エリシュの衝撃によって散乱した調度品を片付け、比較的まともな一室に二人を案内する。一応…本当に一応の体裁を繕ってはいたが、先ほどの衝撃のものすごさから、この城での生活は不可能なまでに破壊されてしまっていた。
「何もおもてなしできないのは心苦しいのだけれど、先ほどのサーヴァントの所為だからしょうがない事よね」
そうイリヤが家主の礼をつくす。
「サーヴァント…サーヴァントは全部で7騎であるはず。私達は全てのサーヴァントを確認したわ。そこのチャンピオンが分裂するタイプだから断言は出来ないのかもしれないけど、チャンピオン達はどこか同じ雰囲気があるわね。アイツはそう言う雰囲気じゃなかった。全くのイレギュラーサーヴァントって事ね。…でもそれもあなた達に倒されたのだから特に問題は無いのでしょうけれど」
問題は何であの慎二が新しいサーヴァントを使役していたのかと言う事の方なのだろう。凛の思考が埋没しそうになったが、今は何をしに来たのかが先決だろうよ。
「それで?セイバーを助けて欲しいってどういう事?お兄ちゃん」
「あ、ああ。それはだな…」
と、それから士郎が語った内容を要約するとこうだ。
まず目的はセイバーの救出だと言う。
もちろんこれに手を貸す必要性を感じないが、キャスターのサーヴァントに連れ去られたらしい。それで重要に成るのがどうやってサーヴァントを連れ去ったのかと言う事だ。
そこで凛がカードを切ってくる。キャスターの真名と宝具の能力。そして、キャスターはセイバー、アーチャーを従えていると言う状況。
この二枚のカードをうまく使い、イリヤと協力出来ないかと持ち掛けたのだ。
「どう思う?チャンピオン」
と、イリヤはソラではなく俺に問い掛けたようだ。
「イリヤの好きにすると良い。が、そうだな…」
と言って俺は凛へと問いかける。
「目的はセイバーの救出だけか?アーチャーは?それとキャスターの討伐はどうする?」
「そうよ。あなた達にはおそらく障害になるアーチャーの排除をお願いするわ。キャスターの排除とセイバーの救出は私達がやる」
「倒してしまっても?」
「ええ、構わないわ…」
本当はどう思っているのかは分からないが、此処を間違う事はしないと言う凛はやはり魔術師なのだろう。
「依頼はセイバー奪還の為の障害であるアーチャーの排除。対価はキャスターの情報と運が良ければその排除と言う事で良いかしら」
「それで良いわ、リン」
と、魔術師二人が約定を交わす。
確かにサーヴァントを奪取されてしまうと言うこの聖杯戦争ではシステム的最強では無いかと思われる宝具の情報なのだから、それでトントンと言う事にしたのだろう
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