第八十九話
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、そう言い放った。
だから見逃せ、と?
コツコツと歩きながらソラもこちらに歩を進め、成り行きを見守っている。サーヴァントを連れていないとは言え、令呪が有るのなら瞬間移動による奇襲もあるかもしれない。
アインツベルンの城に他に二人の侵入者が居る事は円を広げた俺には分かっていた。しかし、そこのサーヴァントの気配はなかったためにギルガメッシュに集中していたのだ。
殺しに来ておいて負けたら見逃せと言うのは掛け金を踏み倒すようなものだ。殺しに来た時点で自分の命をベットしているはずだろう?
と思わなくも無い。が、黙ってイリヤの指示を仰ぐ。
コツンコツンと階段を下りてエントランスへと降り立つイリヤ。
「あら、お兄ちゃん。こんな夜更けに訪れてくれるなんて嬉しいわ。今日はセイバーは一緒じゃないのね」
「あ、…ああ。その事も有って少しイリヤと話をしようと思って来たんだ」
「ふーん。まぁお兄ちゃんのお話は聞いてあげても良いんだけど、そこを退いてくれる?後ろの彼を殺せないわ」
と、童女が歌うように軽々と後ろの少年を殺すと言ってのけたイリヤ。
「女の子が簡単に殺すとか言っちゃダメだ…いや、女だからダメって訳じゃなく、普通は人を殺しちゃいけないんだぞ」
「えー?でもお爺様が聖杯戦争はサーヴァントもマスターも殺すのがルールだって。あ、シロウは特別に生かしておいてあげるね。だけど、シロウは特別だとしても、そいつは殺すわ」
「ひっ…」
冷徹な顔で宣言されて少年は嗚咽を洩らす。
「そこに隠れているリンも出てきたらどうなの?アーチャーも居ないみたいだけど、サーヴァントも無しで攻め込んでくるなんてよっぽどの自信家なのねトオサカの家って」
隠れて潜んでいたのがバレて隠れている必要性を感じなくなったのだろう。凛は二階の物陰から此方が見下ろせる位置から姿を現し、重力軽減の魔術を掛けたあと、フワリとエントランスへと降り立った。
「あら、バレバレって訳ね」
と、ツカツカ歩きながら自然とそうは思わせないように歩き衛宮士郎と合流する。
バレてしまった手前、バラバラでいるよりは士郎の側の方がイリヤの士郎に対する好感から生き残れる可能性が高いと思ったのだろう。
「衛宮くん、世の中は普通等価交換なのよ。相手に何かして欲しかったら自分が出来るものを提供しなければいけないのが普通なの。誰かの為にと無償で動く貴方の方が異常なの。いい?それは理解しなさい」
「え?…うっ?」
凛が突然話の主導権を握ろうと加わってきた。まずは士郎にダメ出しし、現状を理解させようと言う事だろう。
「士郎はそこにいる間桐くんを逃がしたいそうよ。その為にイリヤスフィール、あなたは何を士郎がすれば間桐くんを逃がしてく
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