第八十九話
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ギルガメッシュが武人であったなら、剣を振るうと言う選択肢があったなら、ソラのアンリミテッドディクショナリーを抜くのは容易だったかもしれない。
しかし、彼はアーチャー。彼は数多くの宝具の所有者かもしれないが、その使い手ではなかった。
故に戦いは射撃に特化する。その結果、ソラを傷つけることが叶わない。
「おのれっおのれっおのれっおのれっおのれっっ!」
ギルガメッシュの敵意はソラに向き、その他への警戒は怠っている。
仕掛けるなら今だ。
イリヤを離すと、そっと彼女から距離を取る。
「え?チャンピオン?」
どうしたのと言いたげな彼女の視線には応えずにカートリッジをロードする。
「ソル、カートリッジロード」
『ロードカートリッジ』
ガシュと薬きょうが排出し、体に魔力が充填される。
「スサノオっ」
今回は出てくれるなよと祈りながら最小のサイズでスサノオを顕現させる。
肋骨が俺の回を覆い、まるで蝶のさなぎの様。そこから右手のみを顕現させると瓢箪を振るい、そこから酒が飛び散るようにしぶきを上げて現れる十拳剣の刀身。
俺は二階の廊下から乗り出すようにエントランスを見下ろせるように落下防止の柵に足を掛け身を投げ出すと、力いっぱい柵を蹴った。
柵を蹴った俺の身は空中を浮遊する事も無く、クロックマスターで過程を省略し、一階に現れたと思った瞬間にはすでに背後からギルガメッシュをその刀で刺し貫いていた。
「なっ!?なにっ!?」
まさかの展開についていけず、何を言ってよいか分からないギルガメッシュを俺は酔夢の世界へと引きずり込む。
「ば、馬鹿なっ!この我が雑種如きに負けるだと!?ば、馬鹿なっ…」
とギルガメッシュは末期のセリフを叫びながらギルガメッシュは酒刈太刀に封印されていった。
「なっなんだよっ!そんなっ…あのクソ神父、話が違うじゃないかっ!」
突如うろたえの声を上げるのはギルガメッシュに付いて来ていたマスターと思われる少年だ。
ちらりとその少年に視線をやれば、がたがた震えながら後ずさり、逃げるチャンスを窺っているようだ。
殺しに来た奴を逃がしてやるほど優しいつもりは無いが、これほどまでに圧倒的な弱者を踏みにじるのは気分が悪い。
さて、どうするかと思案しながらソルを握ると、エントランスの二階から躍り出る影がある。
「まっ待ってくれっ!」
ガツンと音を立てて着地し、体勢を直すと、ギルガメッシュのマスターである少年の前に立ちふさがるそれは衛宮士郎だった。
「もう戦いは終わっただろう!?サーヴァントはあんた達が倒したんだ、こいつは魔術師では無いし、戦う力を持っていないんだ、だからっ」
士郎が後ろに少年を庇い
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