第八十九話
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っているか俺達には分からないのだが、それが一つの世界なら、もしかしたら切裂かれてしまうかもしれない。
ギルガメッシュの投擲は今放たれているもののみで、その最後の射が終わるよりも速くギルガメッシュは右手に持ったエヌマ・エリシュに魔力を溜めている。
このタイミングなら撃ちだされた宝具がソラに着弾した後ではソラはあれの発動を邪魔できまい。
『アオっ!』
念話が俺に届く。
『分かっているっ!』
ソラの短い言葉に彼女がどうしたいのかを感じ取り、すぐさま応える。
ギルガメッシュは既に振りかぶり、真名の開放と共にその脅威を開放しようとしていた。
もう本当に時間は無い。
ソラが体勢を傾け、右手のルナを振り上げ、一歩前に足を踏み出したその瞬間、ソラの姿は消えていた。
「エヌマ…エリ…なにぃ!?」
振り上げたエヌマ・エリシュを振り下ろそうとした、正にその瞬間。ソラの体はギルガメッシュの至近に現れたかと思うと、振り上げたルナを振り下ろし、ギルガメッシュの右手ごと切り落とした。
どうしてソラが転移魔法陣も使わずに瞬間移動が出来たのか。
理由は俺がクロックマスターでソラの因果に介入し、駆けたと言う行動でギルガメッシュに接敵したと言う過程をすっ飛ばして結びつけたからだ。
他者の因果を操るのは自分や現象よりも大量に魔力を消費する為に、あまりやらないのだが、それでも決まればこう言った瞬間移動まがいの事も可能なのだ。
まぁ、事前に打ち合わせが無ければ難しいが、逆に言えば打ち合わせが出来れば割と容易に行える。そして瞬間移動したソラはギルガメッシュの宝具の解放前にその右手を切り落としたのだ。
が、しかし。不完全とは言え、発動しかかっていたその宝具は高まった魔力を発散させるべく、荒れ狂い、垂直方向へ半円を描くように飛ばされた軌道を沿うように発射され、アインツベルンの居城を横半分に切裂くように吹き飛ばした。
「きゃっ!」
閃光に目が眩みそうになるイリヤをその光と衝撃から守るように抱きしめ、耐える。
カランカランと言う音を立てて転がったエヌマ・エリシュをソラは拾い上げ、直ぐに再び現したアンリミテッドディショナリーに食わせ、その存在を消した。
「おのれっ!我が至宝、エアをよくもっ!」
ギルガメッシュは腕を切られたショックよりも自分の財を掠め取られた事に激怒しその痛みすら感じないほどのアドレナリンの分泌量凄まじいような鬼の形相で背後の空間から矢継ぎ早にまた刀剣の類を撃ち出している。
「おのれっおのれっおのれっおのれっおのれっっ!」
もはやそれしか語呂が無いのかと言う感想が浮かぶほどの連呼し、ソラを打ち倒そうとしているが、ソラのアンリミテッドディクショナリーを抜けない。
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