第八十九話
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では難しい。
ならばどうするか?
『私の助けは必要?』
と心の内から語られる声に耳を傾ける。
『必要だ。わるい、力を貸してくれ』
『アオの頼みだもの、当然よ』
頼もしい言葉だ。
俺は十字に印を組むと魔力を練り上げる。
「影分身の術」
ボワンと現れたのは俺の影…ではなく、影分身を利用して現れたソラだ。
アーチャーから数多くの武器が弓兵隊に放たれる矢の如く降り注ぐ。
「アンリミテッド・デクショナリー」
それをソラは右手を振りすると現れた大きな本。その中央に付随していた口が大きく開くと、放たれた武器を弾くのではなく何処に通じるかも分からない空間へと食わせていった。
『ロードカートリッジ』
ルナがカートリッジをロードして魔力を回復させる。
影分身で半分になっている魔力では心もとないのだろう。実際、ギルガメッシュの攻撃は苛烈さを増し、それはもう散弾銃のように撃ち続けている。
「雑種がっ!我が財を食らうと言うかっ!その行ない万死に値する」
と言いつつやめれば良いのに彼は撃ち出すのをやめない。無限に撃ち出される矢と無限に食らいつくす本はどちらが強いのか。
その隙に俺はイリヤを連れてエントランスを上がり退避し、射線上からそれるように身を隠した。
「二人同時に出れたのね、チャンピオン」
抱き上げてイリヤの身を守るために駆けたと言うのに彼女の言葉は冷ややかだ。
「あはは…まぁね」
「また違う人みたいだけど…そんな事より、分裂できるなら他の時もしなさいよっ!」
「とは言っても、これがそううまくはいかない」
「どういう事?」
「単純に分けたら分けた分だけ魔力が減る。今の俺は二分の一の魔力しか持ってない。俺達の強さは魔力にも依存している。その状態で分裂を繰り返せばどうなる?」
「剣を振る事も儘なら無い?」
「そう言う事」
とは言え、その足りなくなった魔力をカートリッジで補っているのだが、やはり二人以上に分裂するのは危険だろう。
戦いはギルガメッシュの攻撃をソラが受けていると言う構図のままこう着していた。
「おのれおのれおのれっ!」
余りにも自分の攻撃が効かない為か、癇癪を起こし始めるギルガメッシュ。
ギルガメッシュの背後の空間に波紋が広がり、その虚空に手を突っ込み一本の剣とは言えない形をした一振りの剣を取り出した。
「やばいな…あれは流石にソラでも吸い切れないかもしれない」
ギルガメッシュの持つ宝の中で秘宝中の秘宝。
対界宝具である『天地乖離する開闢の星』エヌマ・エリシュはその名の通り世界を切裂く宝具だ。
それ故、ソラのアンリミテッドディクショナリーが吸い込んだ先がどうな
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