第八十九話
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いとね。リン達みたいな事は二度としないわ」
と静かに宣言するイリヤ。
ドーンと城門をぶっ壊してその誰か達は城の中へと入ってきた。
エントランスの階段の上からやってきた侵入者を見下ろして優雅にイリヤが挨拶する。
「こんばんわ。招待した覚えは無いのだけれど、侵入者にもそれなりのおもてなしをさせていただくわ」
とスカートをつまんで軽く会釈して言い放ったイリヤのその態度が癪に障ったのか、眼下の金髪の男の背後が揺らめいたかと思うと、そこから何かが撃ち出され、飛んできた。
寸での所で俺はイリヤを抱きかかえ、床を蹴るとエントランスの下まで飛び降りた。
「黙れ人形風情が。王の前で上段に構えるなど無礼にもほどがあるわっ」
慇懃無礼な態度で殺気を飛ばし攻撃してきた彼は間違いなくサーヴァントだろう。
「うそ…あなたはだれ?わたしの知らないサーヴァントなんて…どういう事よ…」
イリヤは自身が聖杯の受け皿だ。今回の聖杯戦争で顕現したサーヴァントの統べては彼女には関わりとして感じられのかも知れない。しかし、目の前のサーヴァントはイリヤのあずかり知らぬ存在だと言う事だろう。
「アーチャー、こんな森の中までわざわざ来たんだけどさ、さっさと目的の物を回収して戻ろうよ。ここは寒くてかなわない」
ワカメのような髪がウニョウニョしている少年が大きな態度で言ってのける。
お前らが扉をぶち壊して入ってきたのが原因なのだが…
「ふむ、そうだな。こんな所は直ぐに立ち去るに限る。おいそこの人形。おとなしく我についてくるが良い。これは王の決定である」
「何いってんのー?あなたなんかについて行く訳無いじゃない。あなた頭おかしいんじゃない?」
余りにも自分勝手な物言いに、イリヤの態度も余り変わらないとは思うのだが、イリヤはきっぱりと断った。
「貴様…人形の癖に王の決定に逆らうのか?どうせ必要なのは聖杯の器だけだ、外装が傷つこうが構わん。人形、我に歯向かった事を後悔する事になるぞ」
「ふん。あなたなんかがチャンピオンに敵うわけ無いじゃない。やっちゃいなさいチャンピオン」
やっちゃいなさいと言われても…
「雑種が、王に逆らうか?面白い、我が財をその目に焼き付けて死ぬがいいっ」
アーチャーの背後に金色の円が浮かび上がるとそこから武器の類が鎌首をもたげるように此方へと向いていた。
金色のアーチャー。
こいつの情報も持っている。あの話の通りだと古代ウルクの王ギルガメッシュだろう。宝具は生前集めた自身の宝をその蔵から撃ち出す殲滅兵器。
撃ち出されるそれは原点の宝具であり、内包された神秘は桁違い。
物量で攻める相手にイリヤを守りながらでは戦う事は一人
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ