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碧い欠片が儚く舞った。
私の目の前で、静かに浮いて。
(守れてよかった 死ぬなよ)
そんなこと。
言わないでよ 約束・・・・誓ったのに・・・・
「・・・・レオっ・・・・・!!!」
目の前で消えたレオは、欠片となって、その欠片もまた、消えた。
どうしたらいい?
誓いは?ねぇ。ずっと一緒にいてくれるんじゃ・・・なかったの?
「答えてよぉ・・・・・・」
もう彼は跡形もなく、はじめから何処にも居なかったかのように消えていった。
私はそれを涙を流し見つめていた。
兄の、泣く声が聞こえる。
アスナさんも消えてしまったの・・・?
兄が、ふらりと立ち上がって。
私も釣られるように立ち上がった。
剣を、引き抜く。
黒く強く光る剣を。
「あああああああっ!!」
私は兄よりも先にヒースクリフに飛び掛る。
「アンタだけはっ・・・・アンタ、だけは・・・!!!私が!!」
痛々しい叫びと共に、剣と盾が打ち合いはじかれる音が鳴り響く。
ただ怒りのままに、憎しみのままに振るう剣には技もなにも無くて、簡単にはじき返されてしまう。
兄もフラフラと、私よりも酷い足取りでヒースクリフと戦う。
「・・・残念だな。さらばだ、キリトくん、キリアくん」
無情に、ヒースクリフの剣が私たちの身体を凪いだ。
これで、レオのところにいけるかなぁ。
先に行ったこと、怒らないと。
兄にも、会えるかな。
なんだ、こんな最後・・・・・・
こんな、最後。
(まだ。・・・まだだよ 私はまだ、死ねない)
心の中で、叫ぶ。
同時に、もうはじけるはずだった私の体は再び集束していく。
剣を持ち上げようと力を込めるたびに、薄れたポリゴンが削れていく。
でも私は、そんなことも気にせず、ヒースクリフとの間合いを詰める。
驚いた顔をしたヒースクリフに。
私は、剣を突き出した。
私の剣は、ヒースクリフの身体に易々と突き刺さる。
見れば、兄の剣、正確にはアスナさんのレイピアも、ヒースクリフに貫いている。
何故、簡単に突き刺さったのだろうか。
そんなことを考えている暇はなかったようで。
私と兄、ヒースクリフの体が、パシャン、と控えめに音をたてて、宙に飛び散った。
自分達の名前を叫ぶ声も、私には届いていなかった。
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