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上げる。
隣では兄が、同じように構え、ふぅっと息を吐いた。
「「せあああああああああああっ!!!!!」」
渾身の一撃。
もう、私たちのHPはレッドゾーンへ突入している。
危険だと叫ぶ誰かの声も、聞こえない。
私たちの放った攻撃は果たして。
「・・・甘いな」
ヒースクリフの一言とともに。
空を切った。
「え・・・・?」
ヒースクリフは既に、私と兄の背後へ回る。
避けられた。
あれが、ソードスキル無しで出来る最強の攻撃のはず。
ヒースクリフが私たちより強いということは知っている。
システムアシストを使ったわけでもない。
私たちが・・・・甘かっただけ。
死ぬのかな。
今斬られれば、私も兄も、この世界から永遠に消え去ることになる。
「・・・・・っ」
斬られるのを覚悟した。
覚悟したけれど・・・ダメージは喰らわなかった。
その代わりに、誰かに抱きしめられる感覚に包まれる。
そのぬくもりを、私はよく知っていた。
「レ・・・・オ・・・・?」
レオは、私に覆いかぶさるような形で、私に振り下ろされたはずのヒースクリフの剣を受けていた。
隣では、アスナさんが兄を守って、斬られた。
時が止まったように、何もかもがスローモーションに動く。
倒れるレオとアスナさんも、私と同じように目を見開く兄も、驚いたようなヒースクリフの顔も。
何もかもが、ゆっくりと動いた。
「レオ・・・・・レオーーー!!!!」
悲痛な声が、あたりに響き渡った。
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