幕間
Trick@01_西折信乃はダメな人間じゃない
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だけど私の気持ちは違う! 信乃のそばにいたいの、好きなの!
どんなに信乃が嫌がってもそばにいる! 私は自分勝手な人間なの!
どんな人間になろうとも変わらない、ずっとずっと側に居続けてやる!」
怒鳴って疲れて、美雪は肩を上下させて息をしていた。
息が吹きかかる距離にある美雪の顔。
熱い息と一緒に気持ちの熱さが伝わる。
「はははは・・・・まさかそう言い返されるとはね・・・・」
信乃は泣きそうな顔で笑った。
嫌われる覚悟で話したのに、まさか何の偽りもない真っ直ぐな言葉で『好き』と返ってくるとは
思わなかった。だから余計にうれしい。
「それに、信乃はそんなダメな人間じゃない」
美雪は胸倉をつかんだ手を緩めた。
「琴ちゃんから聞いた。足が壊れる理由にになった事件のことも、佐天さんのことも。
だから自分をダメな人間って言わないで。
たとえ信乃自身でも、私の愛する人をダメに言うのは許さないよ。
西折信乃はダメな人間じゃない。
お願い、これ以上自分を嫌いになるのはやめて」
胸倉から手を離して信乃の首に腕をまわし、抱きついて耳元で続きを囁いた。
「お願い」
信乃は何も言わない。
ただ、抱きついている美雪の髪を撫でた。
いつのまにか美雪の寝息が聞こえた。
翌日の朝
美雪はカーテンからの光で眼を覚ました。
なぜかすっきりしていた。昨日、あれだけ怒鳴ったから心が晴れたからなのか、
または、ぐっすりと眠れたおかげで今年一番に熟睡した気分だったからだろうか。
美雪は上体を起こして背伸びをする。
まだ覚醒していない目で見たものは自分の使っている布団。
眠っていたのになぜか布団が目の前にある。
そしてようやく気付いた。自分が今、ベッドの上にいることを。
自分がどこで寝たかを。
信乃のベッドで、しかも信乃の上に乗って眠りについた。
「/////あ・・//////」
途端に顔を真っ赤にさせて自分の隣を見た。
信乃がいると思っていたが、そこには誰もいない。
だが自分以外の誰かがいたことを示すように、シーツに皴が寄っている。
「信乃は? って朝ごはん!!」
美雪は急いで台所へと向かった。
「おはよう」
寝室の扉を開けて目にしたのは、お茶碗をテーブルに置くエプロン姿の信乃だった。
「いただきます」
「い、いただきます・・・」
信乃の表情をうかがいながら美雪は味噌汁のお椀を持つ。
昨日はあんなことがあったのに信乃に変わった様子はない。
いや、自分を無視していないだけでもかなり進展したと思うが、今の信乃は
4年前に一緒に過ごしてい
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