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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick@01_西折信乃はダメな人間じゃない
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もいいよ、絶対安静解除だよ♪」

時刻は9時過ぎ。この日最後の薬を塗り終えた。

信乃はズボンを穿いてベットの上へ、横にならずに座った。

そして美雪の顔を見る。

「・・・どうしたの?」

信乃が美雪の顔をまともに見るのも初めてだろう。
美雪は戸惑いながら言った。

「どうして俺につきまとう?」

「・・・好きだからに決まってるじゃない。もちろんLikeじゃなくてLoveだよ」

言っている内容はふざけていても、口調はいつもの調子と違って真剣だった。

「たしかに俺も子供の時はそうだったし、おまえにもそのことを・・好きだと言った。
 だけど、それは子供の戯言だ。もう四年も経っているし、俺は一度死んだんだから
 無効だし時効だろ。・・・ 俺の事を気にする必要はない。」

二人は小さいころに結婚の約束をした。子供の遊びのような受け答えだったが、
二人は真剣に一緒に暮らしていきたいと思っていたし、愛し合っていた。

「無効にするかどうかは私が決めることだよ」

「どうしても諦めてくれないのか?」

「どうしても諦めるつもりはないよ」

「・・・・俺が半年間、“いろいろあった”のは話したよな」

空白の4年間。
数ヶ月前に美雪、御坂美琴、美琴の母である御坂美鈴の3人と再会した時、信乃は
自分に何があったかを簡単に説明していた。
特にひどかった半年についても。

その時に話した内容が原因で、美琴からは一時的に怖がられていた。

「うん、戦場で戦っていたって・・・急にどうしたの」

「いいから聞け。その話、付け加えると戦場で百人以上の人を俺は殺した」

「殺したのも聞いた。人数は初めて聞いたけど」

「そんな人殺しと一緒にいるのか?」

「好きで殺したわけじゃないでしょ? 信乃の今の顔見たらすぐにわかるよ」

「・・・そんな顔に出てるのか俺?」

「無表情だよ。でも、私は分かる。これは勘とかじゃなくて、信乃を一番見てきた
 人間としての確信」

「そうか、大量殺人者が理由で俺から離れることはないか・・」

「琴ちゃんも、鈴姉ちゃんもそれは同じだよ。琴ちゃんだって今まで普通に
 話してくれるじゃない」

「そうだな」

「なんで、私には冷たいの」

「・・・・俺は戦場でな・・」

美雪の質問には答えず、信乃は戦場でのことを話し始めた。

「戦場でたくさんの人を見てきた。

 気が狂った大人  俺よりも小さい年齢で銃を持った子供たち

 我が子を抱いたまま死んでいる母親  女を犯す対処としか見ていない男


 そんないろんな経験のせいでな、精神と体に異常が出た。
 特に精神がおかしくなった」

「精神が?」


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