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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十二話 Me262 V1
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いたところである。
 一緒に挟み込まれていたメモには、ガランドからの直接のお礼と、使ってみての感想が書き記されていた。また、簡単ながらメンテナンスをしておいたとも書いてあり、整備や補給がほぼ不可能な状況下にある和音は、そのことに深く安堵したのだった。

「観測員か……何をすればいいんだ?」
「はい。シャーリーさんのユニットと、このジェットストライカーを同時に飛行させて、性能を試験するんです。そうすれば、どれくらいの違いがあるのかわかると思いませんか?」
「「む……」」

 それはつまり、暗に「勝負してみればわかる」ということだったのだが、シャーリーとバルクホルンは見事に和音の案に嵌まり込んだ。ピクリとこめかみを震わせると、ニヤリと笑ってユニットの固定台に駆けてゆく。

「はぁ、二人ともあっさり沖田さんに乗せられちゃって……」
「そう言うなミーナ。どのみち試験はしなければならないんだ」

 頭を抱えるミーナを坂本が慰める。元気すぎる部下も困りもの、という典型例だろう。
 とはいえテストをしないわけにもいかないのだから、和音の提案は妙案だったと言えるだろう。なかなかどうして和音も501の空気に染まってきている。

「準備はいいぞ、ミーナ!! さっそくテストだ!!」
「わたしのマーリンエンジンに勝てると思うなよ?」

 大きく溜息をつきながらも、ミーナはテストを許可した。
 今日は一日、騒がしくなりそうである。






「……シャーリーさん、12,000mで上昇が止まりました。バルクホルンさん、まだ上がっていきます」

 記録係にサーニャを引っ張り出し、いよいよテスト開始となった。
 まず始めに上昇能力のテストが行われたが、その結果はもはや従来のレシプロストライカーの比ではなかった。現行水準においては最高峰と言われるP-51をあっさりと追い抜き、そのままぐんぐん上昇してゆく。

「おいおい、マジかよ……」

 取り残されたシャーリーは呆然として呟くが、Me262の驚異的な性能はこれだけではとどまらなかった。
 続く積載重量試験でも圧倒的な性能を発揮し、50mmカノン砲と30mm機関砲を装備したまま飛行、そのうえシャーリーのP-51を寄せ付けず、標的として配置したバルーンをいとも容易く撃ち抜いて見せる。もはや比較することすら馬鹿馬鹿しいほどの圧倒的な性能差だった。

「すごい……すごいぞ!! まるで天使に後押しされているようだ!! これさえあれば戦局が変わる!!」

 掴んだ手ごたえに興奮を隠せないバルクホルン。圧倒的な性能差を見せつけられたシャーリーたちは、ただただ驚きに目を丸くするばかりだ。
 結局、この日に取れたデータをまとめるべくテストはここで一旦区切ることにし、万全の整備を行
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