第6話「試験―@」
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た時、それはやってきた。
地下から地上へと直通のエレベーターが動いていた。
その中で女子達は先程までの冒険を楽しそうに笑い、笑顔を咲かせている。
「……にしても、一体どうしたんでしょうか?」
「――何が?」
不審げに呟くネギに、アスナが耳を傾けた。
「いえ、先程のタケルさんの様子に何か感じませんでしたか?」
「え、ああ……そうね」
確かに、彼の様子はおかしかった。特に焦らされることもなかったはずなのに、急に人をせかしだしたのだ。しかも、余裕のない表情で。
「……どうしたんでしょうか?」
心配そうな顔を見せるネギ。その姿に、アスナは軽く微笑む。
「あんたって本当にタケル先輩のことをお兄ちゃんみたいに思ってんのね」
アスナにもネギの気持ちがわかる。実際に、アスナも妙に胸が騒いでいたのだ。
「何かひっかかるのよね」
「なんの話をしているアルか?」
アスナの背中からクーがひょいと顔を出した。その後ろではユエやまき絵も興味があるようで耳を傾けている。
「キャ!? ちょっと、急に驚かさないでよ」
驚かされたことに文句を垂れつつも先程までネギと話していたことをみんなに話す。どうやらみんながそれを気にしていたようで皆一様に頷く。
「……うん、確かに」
「気になりますね」
まき絵とユエが顎に手を当てて考える素振りを見せ、ウ~ンと唸ってみせる。だが、一人、クーだけは違う考え方をしていたようで能天気に笑みを浮かべている。
「どうせ急に、もよおしたアル」
その言葉に女子達が言葉を止めて、頬を赤くさせる。しかも「なるほど」と頷いて。誰もそれを想像していなかったらしく、だが実際にそうなのだとしたら全てに納得がいく。
だが、ただ一人、ネギが首をかしげる。
「もよおす……って、なブッ!?」
最後まで言う前にアスナの張り手が的確にネギの頬をひっぱたいて「い・ち・い・ち・言うな〜〜〜!!」と両手でネギの頬を縦に横にと引っ張りまわす。
意味のわかっていないネギが「はひふふふへふは〜〜」と抗議の声をあげている。ネギとアスナがじゃれ合いを見せる隣では残りの三人がカエデの話に移行していた。
「……では楓さんも?」
頬を赤くさせて訪ねるユエに、まき絵がチッチッチと右に左に指を振る。
「長瀬さんは……うふ」
「マキエ?」
突如、奇妙な笑みを浮かべたまき絵にクーがビクリと背を震わせる。だが、それだけでユエは気付いたのか、はっとした顔を見せた。
「……ま、まさか……そうだったんですね!?」
「うん……だってあの焦り方、それに地下に残された二人。やることはきっと一つしか……」
二人が顔を見合わせて
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