第6話「試験―@」
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てやつか?
「まさかキミがここまで出来るとは思っていなかった」
もしもこの世界に、タケルと同じような世界から現れて、タケルと同じようにガンツのミッションを経験した人間がいたなら、誰もがそう思うだろう。
だが、何を勘違いしたのだろうか。
「拙者の実力はまだこんなものではござらんよ……タケル殿と同じように」
そう言って笑った。
それでも、少し照れくさそうにしているカエデがひどく印象的で、タケルは不覚にも見とれてしまった。赤くなってしまった自分の顔を隠すように、歩き出す。
「急ごう。早乙女さん宮崎さん近衛さんの3人が待ちわびている」
「帰る道は知っているでござるか?」
「ああ」
実は先程ひとりで歩いている途中、コントローラーで地形を確認していたところ、抜け道らしき道を発見したのだ。
「滝の裏側にある」
真摯な表情を崩さず、真っ直ぐに前を見つめ続ける。その顔を、カエデは観察するように見つめるのであった。
カエデは目の前で起こっている事態に、驚きの表情を隠せずにいた。
「……なんと無茶な」
彼女が思わず呟いてしまうほどの光景だった。
滝の裏側に見つけた抜け道の扉。どうやら魔法が施されてあるらしく、扉の表面に書かれた問題を解かなければ帰れないらしい。
それに気付いたカエデが一旦停止しようとしたのだが、タケルはあろうことかそのまま突っ込んだのだ。
「ちょ、タケル殿!?」
制止する間もなく、その扉を一息に蹴破った。
――……一体どれほどの実力者でござるか?
カエデがそう考えてしまうのも仕方がないことだろう。
張られた魔法障壁も物理防御も相当なものだった。材質自体も分厚い石壁で、唯一、問題を解く事が簡単に扉を通る方法のはず。
決して無造作な蹴りで壊せるような代物ではない。
その扉を越えた先には高さが見えない螺旋階段が幾重にもトグロを巻き、先々には問題付きの扉が所々に待ち構えていた。
だが、やはりタケルは次々と出される問題付きの石壁を気にもせず、簡単な蹴りでそれを砕いていく。もはや30分以上昇り続けているが、それでもまだ先が見えることはない。
さらに30分以上も走り続けている間に、全員が目を覚ましていた。
最初は問題付きの扉を蹴破るタケルに「非常識です」と楽しそうに騒いでいたのだが、全員、夜通し動いていたせいか、体力の限界が近いようで今では誰も騒ごうとしない。ユエにいたってはカエデにお姫様抱っこされている。
――タケル殿は……まだ余裕があるでござるか?
横目でちらりと見たタケルの姿に呆れすら覚えてしまう。カエデにも少しずつだが疲労感が芽生え始めていた。途中まで寝
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