part14 覚醒 そして 涙
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……俺は馬鹿だ……
……何故、向かってくる度、立ちはだかる度攻撃した……?
……何故、途中で逃げ出さなかった……?
……何故、一々鉄甲で防御した……?
鉄甲で防御したのは、怖かったからだ……人外が怖かったからだ……
逃げ出さなかったのは、自分の心が許さなかったからだ……意地をはったからだ……
向かってくる度、立ちはだかる度攻撃したのは……単純にむかついたからだ……最悪な理由だ
……何で、立ち上がってくるんだよ……気絶しないんだよ……
……何で……何で……
……何で意地でも食らいついてくるんだよ……!?
「この……消滅やろうが……!」
俺は籠手の男を殴らず、向かってきた勢いを使い
後ろに投げ飛ばした。
……もう逃げるしかない……!
っ!? 何だ!? 何かが足にs……うおっ!?
「逃がす……かよ……! 部長や、アーシアの、とこに……行かせるかよぉっ……!」
籠手の男がしがみついて……! なんでそこまで……!
「……悪い……」
俺は聞こえるかもわからない声で謝罪した。
……何が悪い、だ……こんな小せぇ声じゃ謝罪にならねぇだろ……
……こんなに痛めつけといて謝罪になるわけないだろ……! 馬鹿か……俺は……!
「赤龍帝の籠手っ……俺の思いに答えてくれっ……
……一発でいい……こいつをぶん殴れる……力を……
……守りたい人を守れる力をくれっ……!」
何だ!? 籠手の……宝玉が光った!?
「ああ……行くぜ! 相棒!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』
宝玉から声がし、次の瞬間には籠手の男が真っ赤な鎧に包まれていた。
何だ、あれは!?
この土壇場で新たな力に覚醒したのか……!?
「これが俺とドライグの力だぁっ!!」
……そうか、こいつが……コイツこそが……
主人公かよ……本当に……ついてないな……
「吹っ飛べクソ野郎!!」
……俺はその一撃を、甘んじて受けた……
……受けても、受けずとも……こいつには俺まで届かせるほどの力は……
……もう残っていなかったから……
「マジ……かよ……! 鎧が消えて……!? くそぉ……」
俺は……俺の心は……
……罪悪感と、申し訳ない気持ちでいっぱいだった……
「すいません、部長……ごめん、アーシア……」
籠手の男……主人公の男は倒れた。
泣きながら駆け寄る二人の目を、俺は一瞬だけ見た、見てしまった……
……それは、転生初日に茶髪が見せた目と同じで、それ以上に……怯えていた……
■
あれから俺は、逃げるように駒
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