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遊戯王GX−音速の機械戦士−
−機械戦士−
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デメリットカードしか入って無いって奴?

 ――何考えてるんだあいつ?

 そしてその波紋は一般生徒だけでなく明日香と亮も襲いかかっており、驚きながら会場の《マックス・ウォリアー》を見ていた。

「まさか、あのデッキを使ってる者がいるとはな」

「ええ。それも入学テストに。舐めてるのかしら?」

 生徒達が言っていることは、大体真実である。ほぼ全てのカードが、低レベル・弱小・デメリットカードという三重苦を抱えているため、デュエリストの間では、『デュエルモンスターズ最弱デッキ』と呼ばれている……それが【機械戦士】というデッキなのだ。

「君は一体、何を考えているんだね?」 対戦相手の先生も苦笑いである。その言葉に――遊矢はというと。

「うるせぇぇぇぇッ!!」

 叫んだ。力の限り、自らのデッキが馬鹿にされたと分かった瞬間、ほぼ反射的に。

「人のデッキにケチつけるのが、そんなに楽しいかお前ら……デュエルは勝ち負けじゃない。大事なのはデュエルしてて楽しいか楽しくないかだ! 俺はこいつらと一緒に戦えて楽しい! だから使っているんだ、他人にとやかく言う権利はない!」

 遊矢が突如として発した叫びに、会場は反応が追いつかずに先程とは逆に沈まり返っていた。……その沈黙を破ったのは。

「良いぞ〜二番! もっと言ってやれー!」

 さっきまでいた受験生の中には見覚えのない、茶髪に黒い服の男子生徒だった。近くには三沢もいて苦笑いを浮かべている。……ああ、もっと言ってやろうじゃないか。

「それに、勝った方が楽しいからな。負ける気はないぜ。カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」
 
 ターンが回って来た相手の先生は真剣な表情を崩さず、静かに自分のデッキへと手を添えた。

「これも先生の務めだ。いつまでもファンデッキが通用しないことを君に教えてやる!」

「さあ、来いよ先生」

 ――楽しんで勝たせてもらうぜ!

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