第一章 土くれのフーケ
第十一話 エミヤシロウという男
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った椅子が見えた。崩れた暖炉も見える。テーブルの上には、酒瓶が転がっていた。
それを確認した士郎は、小屋の中に入った。
「罠の類もないか……」
士郎が部屋の中を探索していると、チェストの中からとある“モノ”を見つけた。
「ッ!? これは……一体どういう事だ?」
士郎が見つけたのは、過去、士郎も使用した事がある兵器『M七十二ロケットランチャー』であった。
もしや、これが『破壊の杖』なのか? だとしたら、ここに俺たちを連れてきた目的はまさか……。
士郎が『破壊の杖』を手に持って何やら考えていると、ルイズたちが小屋に入ってきた。
「シロウ、何しているのよ? フーケはいた?」
「っ、ルイズなぜここに来た。待っていろと言ったはずだぞ」
士郎の言葉にばつの悪そうな顔をするも、ルイズは胸を張って応える。
「使い魔だけを危険な目に合わせる主じゃないのよっ!」
「いや、そうは言うが……」
それを聞いて士郎は呆れたような顔になる。しかし、入って来た者の中にロングビルがいないことに気付くと、急に顔色を険しくした。
「え? 何、どうしたのシロウ?」
急に黙りこんだ士郎を見て、キュルケがルイズの後ろから問いただした。
「ロングビルはどこだ?」
「えっ? ミス・ロングビルは、偵察に行くって、森の中に入っていったけど。それがどうしたの?」
キュルケの返事を聞くやいなや、士郎は突然声を上げた。
「小屋を出ろっ! 今すぐにっ!」
「えっ? ちょっ、ちょっとシロウ」
「待ちなさいよ、シロウ」
「……」
突然の命令に口々に文句を言いながらもルイズたちが小屋を出ると、先に小屋を出た士郎がデルフリンガ―を抜き放っているのを見つけた。
「何してるの?」
デルフリンガーを森に向けて構える士郎に、ルイズが訝しげな表情を浮かべながら近づこうとした丁度その時、前触れなく突如森から巨大なゴーレムが姿を現した。
「うそっ!ゴーレムっ!」
「まいったわね、待ち伏せられてた?」
「フーケ」
ルイズたちが口々に何かを言うと、それを合図にしたかのように巨大なゴーレムがこちらに向かって歩きだす。
士郎がルイズたちに指示を出そうと声を上げようとしたが、それよりも早く、ルイズたちはゴーレムに向かって魔法を放ち始めていた。
タバサは自分の身長よりも大きな杖を振り、呪文を唱え、巨大な竜巻が舞い上がり、ゴーレムにぶつけたが、ゴーレムはびくともしない。
キュルケは“ファイヤーボール”をゴーレムに向かって放ったが、炎に包まれようが、ゴーレムは全く意に介さず歩みを止めない。
ルイズは“ファイヤーボール”の呪文を唱えて、ゴーレムに向かって放ったが、
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