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『曹徳の奮闘記』改訂版
第九十三話
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唖然としていた。まぁ気付いてなかったのは大抵頭が固い連中だが……。

「長門、それは私も入るのか?」

「……察しろ焔耶」

 肩をガックリ落としている焔耶にそう言っておいた。良いことあるって。ちなみに蓮華と思春も軍儀に参加している。

「まぁ騙して済まなかったのじゃ」

「い、いやいいよ美羽。過ぎた事なんだから」

 頭を下げる美羽に翠はそう言った。

「では……作戦を説明するのじゃ」

『………』

 美羽がそう発言すると皆の雰囲気が変わった。

「水軍と烏林湾への強襲の指揮は長門。御主がとるのじゃ」

「俺がか?」

 マジ?

「あの軍船を建造させたのは長門じゃろ? それに思春と水軍の研究してたじゃろ?」

「まぁ一応はな……」

「長門の他に桜花とクロエ、蓮華と思春も水軍じゃ」

「………」

 クロエの表情が悪いな……てかクロエは船が苦手だったよな?

「美羽、クロエは船が苦手だから他の奴に頼む」

「ふむ、それなら焔耶に任せるのじゃ。長門には四万を任せるのじゃ」

「分かった」

「霞と恋は一万ずつ率いて烏林湾に近いところに上陸して烏林へ陸から進撃するのじゃ」

 美羽は次々と指示を出していく。

「凪達三人は五万と大砲隊を率いて江陵の魏軍を撃破しつつ烏林と襄陽との進路を遮断するのじゃ。残りは妾と共に魯山へ向かう」

 美羽はいい終えると、皆を見渡した。

「皆の者、此度の戦は決戦じゃ。負ければ後はない。必ず勝つのじゃッ!!」

『オオォォォッ!!』

 俺達は雄叫びをあげた。そして解散後、美羽のところへ向かった。

「どうしたのじゃ長門?」

「美羽、残りは魯山へ行くだろ? それは変更して公安に向かってくれないか?」

「公安じゃと? ……まさか……」

「蜀の動きが読めん。もしかするかもしれん。そのための保険だよ」

「……分かったのじゃ、流石に公安だと難しいのじゃから巴丘に布陣するのじゃ」

「分かった。済まないな美羽」

「構わないのじゃ」

 美羽は微笑んでそう言った。そして仲軍は作戦を開始した。

「出港ォッ!!」

 烏林湾を強襲する船団が出港する。俺は四斤山砲を搭載する大型軍船(普通の軍船より大きめ。四斤山砲を搭載しているため)の一番船に座乗している。

 思春達は二番船に座乗している。

「後方の船に連絡。一番船の後方につけ」

「分かりましたッ!!」

 ……正直、上手く出来るかは分からんが単縦陣で突入して右砲戦を展開するしかないだろ。

 海賊紛いに体当たりしてこの軍船を沈めるわけにはいかんしな。費用が高いんだよこれ。

「兎に角……やるしかないな」

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