第九十三話
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「た、大変です華琳様ッ!!」
「騒がしいわよ桂花」
華琳の天幕に桂花が慌てて入ってきた。
「い、今、烏林湾に元呉軍約五万が我が魏に投降してきましたッ!!」
「……何ですって?」
桂花からの報告に華琳は驚愕したのだ。
「……それは真実かしら?」
「間違いありません。確かに孫策達もいます」
「……分かったわ。孫策達を呼びなさい」
「御意」
桂花が天幕から出た。
「……真実であれば魏の勝利は確実ね」
「久しぶりね孫策」
「そうね曹操」
華琳の天幕で華琳と雪蓮が面会していた。
「我が魏に投降……何か策があるんじゃないかしら?」
華琳の問いに雪蓮はフッと笑った。
「策なんて無いわ。我が呉が求める事は王双の頚を取る事。それのみよ」
「……理由は?」
「これよ」
そう言って雪蓮は華琳にある装飾品を見せた。
「それは……?」
「……私達を逃すために殿役をしてくれた妹孫権と甘寧の遺品よ」
「………」
雪蓮の言葉に華琳は何も言わない。じっと雪蓮の目を見ていたがやがて口元を緩めた。
「……良いわ。元呉軍の魏軍参入を認めるわ」
「……感謝するわ曹操」
雪蓮はそう言って華琳に頭を下げて天幕を出た。華琳は直ぐに諸将を集めた。
「罠ではありませんか? 確かに元呉軍の参入は魏の勝利を確実にしますが、これが策であれば我が魏は中に毒を仕込まれた事になります」
夏候淵がそう具申した。
「策であるなら堂々と撃ち破ればいいじゃないか秋蘭」
夏候淵の姉である夏候惇はそう言った。
「しかし姉者……」
「華琳様、元呉軍の参入は止めるべきではありませんか?」
桂花はそう具申した。対する華琳はというと……。
「……皆の意見は分かったわ。元呉軍の参入は受け入れる。攻撃開始は明日払暁よ」
「ですが華琳様……」
「例え罠だろうと、我が覇道の道を妨げる者は潰すのみよ桂花」
「……御意」
華琳の言葉に桂花は渋々と了承した。
「それでも桂花や秋蘭の懸念も判るわ。元呉軍には十分の監視をしておくように」
「御意。直ちに手配します」
桂花は華琳に頭を下げて天幕を出た。春蘭達も出たが秋蘭だけは華琳に呼び止められた。
「どうしましたか華琳様?」
「……秋蘭、先に言っておくわ。戦場で奴に会えば私情を持たずに殺りなさい」
「……御意」
秋蘭はそう言って天幕を出た。
「えぇッ!? あのやり取りは芝居だったのかッ!!」
「御姉様気付いてなかったの?」
全てを聞かされた翠達が
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